福井県立大学・金粕仁美さん
近畿・北陸地方会のみなさま、初めまして。福井県立大学の金粕仁美と申します。 昨年2月、ちょうど新型コロナウイルスが流行しはじめたころに、アメリカ・オハイオ州フィンドレー大学へ学生の看護短期留学に同行しました。今思えば、ぎりぎりのタイミングで実現した渡米と帰国でした。2週間余りの滞在でしたが、現地の大学の看護や日本語の授業に参加したり、複数の医療・福祉施設に視察したりなど、様々な人達と交流することができました。 その中で、興味深かったのは、アメリカ・フィンドレー大学で実施されている看護教育についてでした。日本の場合、講義は教員からの一方向の授業というイメージが強いのですが、フィンドレー大学では、教員からの質問に対して学生が自由に発言して講義を進めていくというスタイルでした。また、内容ごとに講義と演習がセットになっていて、例えば、火曜日に薬剤投与に関する講義があり、翌日の水曜日に演習を行うという形でした。演習は臨床に近い形で行われており、疾患や年齢などが設定されている患者さんにデモ用の薬を投与し、必要な観察などをおこない、最後にカルテの記載をおこなうというような流れでした。予習や復習の時間も多くとられていて、講義・演習ともに、学生が主体的に学習しているという印象でした。 私自身、今までそれほど海外の教育方法に関心を寄せていませんでしたが、異国の看護教育の良い点を日本の看護教育にも少し取り入れられたらいいなと思っています。特に、学生の主体性を高められるような教育がおこなえたらいいなと感じています。また、臨床に近い演習方法は、コロナ禍で実習施設に行けない場合の学内演習にも応用できるかもしれません。 現在、本学とフィンドレー大学間・看護学科同士の国際交流は行えていませんが、今後、渡航が可能となり交流が再開したら看護教育に関する意見交換や調査などがおこなえたらいいなと思っています。
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