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アメリカ・フィンドレー看護短期留学で感じた看護教育の違い2021/02/26(金) 19:26:17 RSSにてレス一覧を表示
福井県立大学・金粕仁美さん
 近畿・北陸地方会のみなさま、初めまして。福井県立大学の金粕仁美と申します。
 
 昨年2月、ちょうど新型コロナウイルスが流行しはじめたころに、アメリカ・オハイオ州フィンドレー大学へ学生の看護短期留学に同行しました。今思えば、ぎりぎりのタイミングで実現した渡米と帰国でした。2週間余りの滞在でしたが、現地の大学の看護や日本語の授業に参加したり、複数の医療・福祉施設に視察したりなど、様々な人達と交流することができました。
 その中で、興味深かったのは、アメリカ・フィンドレー大学で実施されている看護教育についてでした。日本の場合、講義は教員からの一方向の授業というイメージが強いのですが、フィンドレー大学では、教員からの質問に対して学生が自由に発言して講義を進めていくというスタイルでした。また、内容ごとに講義と演習がセットになっていて、例えば、火曜日に薬剤投与に関する講義があり、翌日の水曜日に演習を行うという形でした。演習は臨床に近い形で行われており、疾患や年齢などが設定されている患者さんにデモ用の薬を投与し、必要な観察などをおこない、最後にカルテの記載をおこなうというような流れでした。予習や復習の時間も多くとられていて、講義・演習ともに、学生が主体的に学習しているという印象でした。
 私自身、今までそれほど海外の教育方法に関心を寄せていませんでしたが、異国の看護教育の良い点を日本の看護教育にも少し取り入れられたらいいなと思っています。特に、学生の主体性を高められるような教育がおこなえたらいいなと感じています。また、臨床に近い演習方法は、コロナ禍で実習施設に行けない場合の学内演習にも応用できるかもしれません。
 現在、本学とフィンドレー大学間・看護学科同士の国際交流は行えていませんが、今後、渡航が可能となり交流が再開したら看護教育に関する意見交換や調査などがおこなえたらいいなと思っています。
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看護情報学:PPDACサイクルについて2021/01/28(木) 09:13:03 RSSにてレス一覧を表示
大阪府立大学大学院看護学研究科 森本明子さん
 大阪府立大学大学院看護学研究科・看護情報学分野の森本と申します。今回は、データを活用した統計的課題解決サイクルである「PPDACサイクル」について紹介させていただきます。

 まず、PDCAサイクルは、1950年代にDemingとShewhartにより提唱され、第二次世界大戦後に製造業等で発展しました。ご存知の方も多いと思いますが、最初のPlanの段階で「課題に対する目標の設定や具体的な取組みの立案」を行い、Doの段階で「取組みの実施」、Checkの段階で「取組みの評価」を行います。この従来のPDCAサイクルに加えて、近年、データを活用した統計的課題解決サイクルであるPPDAC(Problem、Plan、Data、Analysis、Conclusion)サイクルが着目されています。PPDACサイクルは、1999年にWildとPfannkuchにより提唱されました。最初のProblemの段階で「課題の明確化や分析課題の設定」を行います。次いで、Planの段階で「データ収集や分析等の計画立案」を行い、Dataの段階で「データ収集」、Analysisの段階で「課題の現状把握や要因検討等のためのデータ分析」を行います。そして、Conclusionの段階で「データ分析に基づいた課題解決への具体的な取組みを提案」します。このPPDACサイクルの体系的なプロセスは、PDCAサイクルのPlan(課題に対する目標の設定や具体的な取組みの立案)を実行するために必要なプロセスです。そのため、PPDACサイクルとPDCAサイクルをあわせて展開することが重要となります。
 現在、看護情報学分野では、大阪府受託事業「特定健診受診率向上プロジェクト ―効果的なプロモーションの確立に向けた提案―」の運営を行っています。大阪府の特定健診の受診率は全国と比べ低い状況で推移しているため、大阪府において特定健診の受診率向上は重要な健康課題の一つです。この事業において、まず、「データ分析に基づいた特定健診受診率向上のための具体的な取組みを提案」するために、大規模調査やパブリックデータ分析等を実施し、PPDACサイクルを展開しています。

 日々蓄積されているデータの活用や、PPDACサイクル及びPDCAサイクルの活用は、より良い看護実践や保健活動に貢献すると考えています。今回は、PPDACサイクルについて紹介させていただきました。
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コロナ禍での学内演習2020/11/27(金) 14:49:35 RSSにてレス一覧を表示
富山大学・坪田恵子さん
  会員の皆様、こんにちは。富山大学の坪田恵子と申します。
  コロナ禍で皆様の施設におきましても、これまでの教育や看護の質を維持するために、感染予防対策をとりながら日々奮闘しておられることと思います。
  
  私は基礎看護学講座に所属しておりますので、基礎看護学の学内演習についてのコロナ禍での状況をお伝えさせていただきたいと思います。看護技術を学ぶために、これまで4人程度のグループ学習を取り入れて、看護師役・患者役・観察者をローテーションし、それぞれの立場で気づいたことをグループ内で話し合うことで対象へのより良い援助を考える場を作ってきました。コロナ禍の中、感染予防を考えると個人学習が望ましいとなるのかもしれませんが、それでは看護者としての必要なスキルが身につきません。そこで、対象への援助を行う際やグループで話し合う際にはフェイスシールドをつけ、必要時にはエプロンや手袋を使用して実施しています。また、健康チェックや手指消毒はもちろんのこと、物品などの使用者が交替する際の消毒のタイミングも意識して行っています。
  
  学内ではこのような感染予防対策を講じており感染者はでておりませんが、コロナ禍での県内の状況を踏まえて先週より学内演習ができない状況となっています。
  感染予防対策を行い、“密”になる状況を避けるために準備1つとってもこれまでと異なる方法をとることが必要になるため、事前の準備や消毒など時間はかかりますが、対策を行いながらでも学生と関わりながら演習ができること、学生同士で学び合うことができる演習を早く再開できるよう祈っています。
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新生児のドライテクニックに使用する用具の開発2020/10/29(木) 11:57:30 RSSにてレス一覧を表示
大阪医科大学・ 近澤幸さん、佐々木綾子さん
クリックにて拡大表示 新生児のドライテクニック(出生時に付着した血液や羊水、胎便などを拭き、胎脂はできるだけ取り除かない方法)において、現在用いられている用具は、新生児の皮膚への刺激、手技の困難さ、実施者の感染予防の点で課題があります。この課題を解決するための新たな用具の開発が求められています。


【写真:左(不織布を用いた顔のドライテクニック)、右(ガーゼハンカチを用いた頸部のドライテクニック)】

 
 新生児の表皮は、大人に比べ角層が薄く、角層の乾燥傾向は、生後3日から少なくとも生後2週間まで続きます。新生児の清潔ケアとしてドライテクニック、沐浴が実施されています。生後日数によるドライテクニックと沐浴の使い分けについては、出生当日のみドライテクニックを行い、以降は沐浴を行う施設、生後4日目までドライテクニックを行う施設などがあります。
 沐浴の場合、新生児の皮膚への刺激を避けるため、手でよく泡立てて洗浄することが理想的であるとされています。しかし、ドライテクニックの場合は手で実施することはできないため、用具の使用が必要です。ドライテクニックで用いる用具について、ガーゼ、綿タオル、不織布など様々な素材のリネンが用いられていますが、既存のものが使用され、新生児に適したものとはいえないという課題があります。さらに、新生児のドライテクニックにおいては、頸部や腋下など細かい部分の清拭が必要です。現在用いられている用具は、水分を含ませて絞り、細かい部分を清拭する、という行為において、実施のしづらさがあります。
 そこで、新生児のドライテクニックを実施するための新たな用具を開発したいと考えています。新たな用具の開発により、新生児、実施者両者にとって安全・安楽なドライテクニックの実施につながることを期待しています。

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コロナ禍での教育と研究について2020/09/28(月) 13:22:29 RSSにてレス一覧を表示
公立小松大学・佐藤大介   さん
 近畿・北陸地方会の皆様、はじめまして。公立小松大学の佐藤と申します。
 本学は、2018年度に開学した大学です。生まれも育ちも宮城県であった私が、縁あって石川県に来ることになり、当初は不安もありましたが、多くの人との出会いや多様な考え方、また北陸の文化に触れることで、自分自身が成長したかなと思っております。こちらに来て早2年半が経ち、だいぶ石川の地にも慣れてきました。
 
 本学では1期生の3年生が8月下旬から開始となった学内実習の真っ只中にあります。新型コロナウイルスによる影響を考慮し、臨地での領域別実習がすべて学内実習に切り替わりました。それまでの実習では、実習=臨地(病院等)で行うことであり、実際に入院されている患者さんを学生が担当させて頂くことに思いを巡らせることはありませんでした。しかし、コロナ禍によって学内実習を実施している現状からすると、いかに以前の臨地実習が恵まれた環境下であったかを実感しております。どうしても以前と比べますとマイナス面ばかりに目が行きがちで、教員の実習に対する負担は非常に大きなものになっております。ただプラス面も実感ができております。改めて実習の目的・目標がディプロマポリシーや学生にとって適切なものになっているのか、それらを達成させるため、どのような実習を組み立てる必要があるか、自分たちの教育を見つめ直すきっかけとなりました。周手術期の実習では、実際の患者さんを担当する学生にとって、過緊張と展開の速さで現状を理解することが難しい環境となる場合が多いです。しかし学内実習では学生の特性や準備状況に合わせて紙上事例の展開を変更することも可能であり、学習効果としてプラス面となるとも考えております。創意工夫をしながら、臨地での実習に近づけるように努力をしている毎日です。
 研究についてですが、大学院での生活が自分の研究者としての基盤となっております。もう修了して4年以上が経ちますが大学院での学びは、それぞれの学生の能力や志、資質を磨き上げ、自らと社会の未来を切り開くための素地を養うものであったと感じております。人はそれぞれ大きな可能性を有しながら、不完全な存在でもあります。そんな人同士が、学びの場で時間と空間を共にして、相互に磨き合い、成長していくプロセスが大学院にはありました。現在取り組んでいる情報は、院生時に取り組んだ遠隔看護による前立腺がん患者への介入方法をいかし、「外来化学療法中のがん患者に対する症状の増悪予防を目的とした遠隔看護システムの開発」というテーマで研究を進めております。医療の支援提供の場は、入院中や外来だけでは困難な状況であり、医療機関から離れた在宅での支援システムの構築が必要であります。情報通信技術の飛躍的な進展と、オンライン診療の保険適用化、そしてこのコロナ禍など、近年医療を取り巻く環境は大きく変化をしております。現在取り組んでいる研究によって、がん患者がより豊かで、より幸せな人生を送ることができるように、幅広くきめ細やかな支援方法を確立できるように日々頑張っていきたいと思います。
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