奈良学園大学・田場真理さん
今年も集中豪雨など、自然災害の多い夏でした。そして、とっても暑い夏でした。 8月末の雨の後、もしかしてこのまま秋に突入かと思いきや、まだまだ残暑冷めやらぬ状態で9月に突入しています。この暑さ自体が、災害級です。 さて、災害と言えば、2011年の東日本大震災をはじめ、2014年8月豪雨による広島市の土砂災害や2016年の熊本地震、そして2018年の北海道胆振東部地震などは、皆さんの記憶にも新しい大災害だと思います。直近では、9月9日に関東地方に上陸した台風15号による災害で、木更津(千葉)の友人宅は、5日間に渡り停電が続くだけでなく、通信網も遮断され、大変な状況とのことでした。 こういった災害に備えて、みなさんは、防災対策をきちんとされていますか?また、皆さんの職場や地域ではきちんと防災対策がなされていますか?
阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓からは、防災・減災への取り組みは、自助だけでなく共助が大切と言われています。阪神淡路大震災では、震災後のボランティア活動が脚光を浴びましたし、東日本大震災では、お互いを気にかけて状況や困りごとを聞くなどの関係性を「絆」という言葉で表され、その重要性がクローズアップされました。 そういったことも影響してか、私の住んでいた地域でも、15年ほど前に自主防災活動が組織されました。組織発足当時、たまたま自治会の役員をしていたことから、自主防災組織の救護班班長を、翌年は給食班班長を引き受けざるを得ない状況となり、自治会、そして自治連合会の役員として防災活動計画など色々なことを議論し活動しました。例えば、自治会活動の一環として、消防の協力を得て消火訓練や避難誘導、救出・救護の訓練をしました。他にも、災害時を想定した炊き出しや自治会費で共同購入した備蓄倉庫の資機材の内覧も行いました。 当時を振り返ると、こういったイベントの時に頼りになったのが、地域に住む看護師の力でした。看護師ならではの鋭い生活や健康の視点での意見や活動協力は、自主防災活動を行う上でとても役に立つものでした。 その後、我が家は別の地に引っ越したのですが、当時立ち上げた自主防災組織はその後も引き継がれ、立派なものになっているようです。そして自主防災組織には、どこかで看護に携わる人が関わり、その成長を助けているようです。地域の自主防災組織の運営に看護の視点はどんな影響を与えるのかなぁ・・・と今、このブログを書きながら思ったりします。
9月は災害月間。災害看護は、みなさんご承知のところでしょうが、地域の自主防災組織など身近なところにも看護の力が求められるところはたくさんあるように思います。 防災・減災への取り組みは、自助だけでなく共助が大切。地域のつながりによる防災対策に、看護がどれほどの力を発揮できるのか、こんな研究をされても面白いかもしれませんね。
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