福井県立大学 成人看護 有田広美さん
福井県には、皆さんよくご存じの「永平寺(曹洞宗の2つの大本山のひとつ)」があります。実は福井県立大学は永平寺と同じ「永平寺町」にあります。去る2月25日に市民対象に「自分らしく、送られたい−あなたは、人生の終わりをどう考えていますか?−」というテーマでまちづくり講演会が開催されました。名田庄診療所所長の中村伸一先生(NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』に出演)は「あなたも幸せになれる実践的幸福論」と題して「手相を見て生命線が短い人はマジックで付け足してください」「ポジティブシンキングとネガティブシンキングは3対1が長寿の黄金比」とユーモアあふれる話をしてくださり、笑顔とポジティブシンキングと感謝の3つが幸福になる秘訣だと話されました。 そして中村先生と永平寺の老師と私とで「自分らしく送られたい」についてのパネルディスカッションを行いました。そこでは「末期でも健康」的に生活している高齢者、病体験から価値観が変わり生き方が変化した壮年期の方、学生に身をもって生き様を教えてくれた方などの実践例が語られました。答えの出るテーマではありませんが、様々な人とのつながりの中で当たり前の日常生活を送ること、その人の役割をこれまで通り遂行できること、今を大事に生きることが幸せを感じられることなのではないかと語り合いました。仏教のお立場からは、自分が他者を支えているつもりが実は自分が支えられているものであり、一人じゃないと気づけることが幸せや感謝につながるとおっしゃられていました。緩和ケア論を担当する教員としては、老師のお言葉は看護につながるものがあり、永平寺とコラボして地域の方々および学生と共に考える機会をまた持ちたいなと思いました。ちなみに、4月1日13時より福井フェニックスプラザにおいて医療人類学者であり禅僧でもあり終末期ケアに携わってこられたジョアン・ハリファックス博士の「『病・老い・成長』を支えるすべての人のために」講演会があります。気忙しくなる4月ですが、貴重な体験をして来ます!
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