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看護管理を色で表すと?2016/12/07(水) 12:51:22 RSSにてレス一覧を表示
甲南女子大学看護学科 青山ヒフミさん
クリックにて拡大表示看護管理学を専門としている関係から看護管理者を対象とした研修の講師を引き受けることが多い。特に1993年より開始した日本看護協会認定看護管理者制度のファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの各研修を、大阪府看護協会を中心にその当初から毎年引き受けている。
いずれの研修も、ここ10数年は研修開始のアイスブレイクとして、看護管理のイメージを色で表す課題を出し、参加者何人かにその理由とともに色を発表してもらっている。長い間行っていると2つの傾向があることに気付く。
まず1点目は職位による違いである。ファーストレベル研修の主な参加者は主任、副師長クラスである。この場合の看護管理のイメージは、白、灰色、黒といった無彩色が多い。それも黒っぽい灰色が中心であり、つかみ所がない、不透明だからという理由が多い。セカンドレベルになると職位は師長がその多くを占め、看護管理のイメージは、青、水色、緑といった寒色系が多数を占める。理性的、理知的、シャープな仕事だからといった理由が多かった。が、ここ6,7年くらい前から、なぜかオレンジ、赤、ピンクといった暖色系が主流になってきている。理由を聞いてみると、「ビタミンカラーのオレンジで元気の良さ」、「太陽の赤で情熱」、「人を温かく包むピンク」といったとてもポジティブな返事が返ってくるようになった。サードレベルになると、高貴な紫色、様々な色を包み込み輝く大理石色、状況により色を変化させるつつ輝く虹色と、看護管理にたいへん価値を見出している色へと表現がさらに豊かになる。職位の上昇に伴い看護管理という職務への価値が高くなるようだ。
2点目は、セカンドレベルの師長クラスの変化である。ちょうど寒色系から暖色系に色が変化した時期は、平均在院日数の短縮や病床稼働率のアップなど数値目標の達成が厳しく求められ、師長の仕事環境が厳しくなった時期と重なる。仕事環境が厳しく変わったにもかかわらず、看護管理のイメージは暖色系に変化し理由もポジティブになっている。この理由が、仕事環境が厳しくなった分あえてポジティブなイメージを持ち、自分自身を鼓舞しているのか、それとも看護管理観が理知的なものから、疲弊するスタッフへのケアを意識した温かな看護管理へと変化したのか、謎である。
単に研修時のアイスブレイクとして軽い気持ちでやり始め、アイスブレイクとして効果的に緊張をほぐす役割を果たしてくれた「看護管理を色で表すと?」の課題だが、今になってデータをちゃんと取っておけば良かったと後悔することしきりである。
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