| 地方会トップ | ブログトップ | ヘルプ | ログイン | パスワード忘れ | 新規会員登録 | 利用規約 |
日本看護研究学会と共に(3) ①  【看護実践と理論の統合】への導きと思考2024/02/07(水) 16:14:09 RSSにてレス一覧を表示
四天王寺大学大学院 泊 祐子さん
<実習体験から,「看護実践と理論の統合」という思考へ>

大学時代の学習を思い返すと,真面目な学生ではなく,机上の授業では,面白いとか,興味が湧くという気持ちはなかった。しかし,実習に出て,解剖生理学などを学んだ意味が,こういうことか,と「ふと,腑に落ちた」経験がありました。術後の患者さんをベットから立ち上がる離床を進めた後に,小島操子先生に患者が額に汗をかいたことを話すと,「ええっ,脂汗だったの?」と問い返されました。その時に「汗」と患者の病状を結び付けて考える必要性を理解したように思います。実習に苦はなく,これが看護なんだと思ったことや,もっと早く実習を経験すると学内の授業が面白かったと思う気持ちを生意気にも先生に伝えた光景を思い出します。
また,卒業研究を4人グループで楽しく,ランランって感じで取り組んでいた。高齢者を訪問し,血圧測定や食事内容を聞き取るなど実践的な内容でそのまとめを仲間と討論し書き進めたことは大変楽しい思い出です。卒業研究の論文1) を発表したいと申し出て,卒業後も担当の伊藤暁子先生(名誉会員)と栄養学の瀬尾クニ子先生にお世話をかけました。
教職に就いた少し経った頃に伊藤暁子先生に「やっぱり現場がいい」と話すと,「何を言っているの。看護教育っていう現場にいるじゃないの」という言葉が返ってきて,ハッとさせられた。「そうや,私がいるのは看護教育実践の場だった」と,教育を大事にする重要性に気づかされた言葉だった。
このように実践に基づいて考えること,つまり,知識を実際の具体的事象に合わせて考えることを学んでいたのだと改めて思い返した。看護学実習の場でいろいろなことに遭遇するが,出合った事象をどのように考えるのか,考えられるためのヒントに子どもの心理や具体的事例を入れ,学生用に『小児看護学実習ハンドブック(中央法規,2023)』2) を執筆した。

【文献】
1) 泊祐子,山本恵子,大森清子,桜木玲子,瀬尾クニ子,伊藤暁子(1979):老人の食生活指導に関する一考察,保健婦雑誌,35 (10),46-55.
2) 泊祐子,岡田摩理(2023):小児看護学実習ハンドブック,中央法規.


※このブログは下記の『日本看護研究学会と共に(3) ②  【看護実践と理論の統合】への導きと思考』に続きます
投稿にはログインが必要です
トップページに戻る