日本看護研究学会主催から会員の皆様に向けて情報を発信しております。
(社)日本看護研究学会 第43回学術集会
会長 山口 桂子
(日本福祉大学 看護学部)
謹啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
この度,(社)日本看護研究学会第43回学術集会を2017年8月29日(火)~30日(水)の2日間にわたり,東海市芸術劇場と日本福祉大学東海キャンパスにおいて開催させていただきます。
本学術集会では,メインテーマを「-原点回帰- 求められる看護研究の成果と教育への還元」とし,これまでの看護学研究の発展や成果がもたらした確かな知識の積み重ねを振り返りつつも,今まさに看護の力が問われる社会状況にあって,これからの看護学研究には何が求められ,いかに次世代教育を通して社会に貢献していけるのかを探っていきたいと考えております。
当日のプログラムがほぼ確定いたしましたので,簡単にご紹介をさせていただきます。
まず,特別講演として,内田樹先生(神戸女学院大学名誉教授)の「生きる力を高めるために」,さらには,本学会名誉会員 田島桂子先生の特別教育講演「看護学教育に還元できる研究成果-背景に求められるもの」,また,秋元典子先生(岡山大学 教授),宇佐美しおり先生(熊本大学 教授)の教育講演,牧本清子先生(大阪大学 教授)の研究方法セミナーなど,本学会を代表する先生方のご講演を予定しております。
シンポジウムでは,看護学研究の成果に焦点をあて,看護実践や看護教育を通してどのように社会へ提言していくかを探る一方,本学会が発足当初からキーワードとして掲げてきた“学際性”の視点から,看護実践を支えるエビデンスとなる知識を提供してくれる学問分野との連携について再考していきたいと思います。
また,愛知県での初めての開催を記念して,徳川美術館学芸部 部長 四辻秀紀先生による“徳川家”ゆかりの特別記念講演も企画しております。
その他にも,市民の皆様にご参加いただける市民フォーラム「江戸・明治時代から息づくモノづくり・健康づくり ~愛知の食文化と健康~」や,看護職を目指す高校生を対象とした,ナーシング・サイエンスカフェなど,さまざまな参加者の方々にも興味を持っていただけるような企画を準備いたしました。
すでに演題登録も始まり,本番も迫ってまいりましたが,会員の皆様には,他の研究者の研究や知見に触れるだけではなく,この1年間の研究の成果を積極的にご発表いただき,次につながる研鑽の場にしていただきたいと思います。
参加者の皆様にとって,有意義な2日間となりますように,万全の準備を重ねてまいりたいと思います。お一人でも多くの皆さまの御参加を,心よりお待ちいたしております。
敬白
日 時 | 平成28年8月19日(金) 16:10~18:00 |
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会 場 | つくば国際会議場 405A |
出 席 |
川口孝泰,本田彰子,宮腰由紀子,岩本幹子,石井範子,荒木田美香子,法橋尚宏,中西純子,前田ひとみ,山口桂子,塩飽仁,吉沢豊予子,神田清子,安藤詳子,佐藤政枝(以上,理事15名), 松田たみ子(監事1名) |
欠 席 |
青山ヒフミ,村嶋幸代,良村貞子,吉田澄恵,任和子,山勢博彰,宇佐美しおり(以上,理事7名) 渡邉順子(監事1名) |
陪 席 | 海老根潤,竹下清日(ガリレオ社) |
議事進行 | 理事長 川口孝泰 |
書 記 | 佐藤政枝 |
(順不同・敬称略)
番号なし:平成28年度一般社団法人日本看護研究学会会員総会議事事項
川口理事長より,一般社団法人日本看護研究学会定款第22条に基づき,過半数15名の理事の出席によって本理事会が成立することが確認され,議事が開始となった。
総務担当・本田副理事長より,資料に基づき,会員数の動向および会費納入状況について報告があった。会員総数は6,435名(2016年8月18日現在),2016年度の新入会員数は358名,入会待機数は80名,退会者数は15名で,4月1日時点よりも総数は増員していることが報告された。また,1977年4月(141名)から2016年4月(6,259名)まで過去40年間の会員数の動向が一覧表により報告された。
委員長・法橋理事より,資料に基づき,掲載論文は既に39巻5号まで決定済みであるが,39巻3号(学術集会号)を除く,39巻1号,39巻2号,39巻4号が制作中であり,39巻1号は2ヶ月以内に,39巻2号は3ヶ月以内にそれぞれ発行予定であること,会員への発行遅延の周知については,学会ホームページにてお詫びの文書を掲載している旨が報告された。2016年の論文投稿数は60本(8月15日現在)で,昨年度よりも減少傾向であるとの報告があった。
委員長・石井理事より,平成28年度の奨学会研究助成は,4名の応募者からの選考の結果,西田千夏氏「発達支援を要する子どもとその家族に対する看護師等支援者の内省・洞察体験の構造」に授与されることが決定し,明日の会員総会後に授与式が行われること,奨学金額は50万円であることが報告された。また,平成26年度および平成27年度の奨学会研究については,2演題共に成果発表が明日行われるとの報告があった。平成29年度の研究助成については,9月26日から12月16日の期間で,学会ホームページでも会告とともに募集要項を開示して周知されることが報告された。
委員長・荒木田理事より,奨励賞の受賞候補となっている2編の論文のうち,1編の共著者1名が2015年度末で依願退会,もう1編の共著者2名が2年間(2014年度・2015年度)の会費未納による資格喪失,となっており,本日の常任理事会で審議した結果,依願退会者については筆頭著者と共に表彰対象とすること,会費未納者については過去2年間の会費を再請求し,支払いが確認された後に,表彰対象として改めて確定することで合意されたとの報告があった。
今後の手順の見直しとして,受賞候補となった論文の全著者について,審査年度の会費の納入状況を確認することが報告された。さらに,学会賞と奨励賞の区別が曖昧であり,それぞれの位置づけについて再検討することが今年度の課題として報告された。
委員長・川口理事長より,本日,第1回委員会を開催し,未だ決定事項はないが学会の将来に関する多くの重要な課題を確認したこと,さらに,今後は各委員会でも本学会が向かうべき新たな目標・方向性を議論していただき,それぞれの意見を得ていきたいので,常任理事の皆様にはご協力いただきたいとの報告があった。
委員長・青山理事に代行して川口理事長より,倫理審査の依頼が1件あったが,依頼人の所属機関が審査委員会を有しており,対象外であったことが報告された。さらに,会員が所属する医療機関の倫理委員長(病院長)より,看護研究のガイドラインについての問い合わせがあり,一般的な倫理指針をもとに実施している旨を返答したとの報告があった。
委員長・前田理事より,昨年度から継続的に取り組んでいる国際活動推進事業として,第42回学術集会2日目に国際活動推進委員会企画の特別交流集会「質的研究のシステマティックレビューの国際的動向(今野理恵氏)」を開催することが報告された。イヤーブックについては,2016年度の投稿はゼロである旨が報告された。
委員長・中西理事より,理事によるメール審議での承認を経て,8月5日付で学会HP上にて支援事業の案内と寄附の依頼に関する周知を開始したことが報告された。寄附については,先行する書面での周知により1ヶ月程度で52万円が集まっており,昨年度寄附(繰越分)59.5万円,今年度予算300万円とあわせ総額411万5千円であることが報告された。
担当・塩飽理事より,学会ホームページの更新内容として,平成27年度の貸借対照表内訳表および正味財産増減計算書内訳表の公告,新理事長の挨拶文と写真の掲載,大規模災害支援事業ページの更新とバナーおよびリンクの設置を行った旨が報告された。
委員長の山口理事より,過去3年間の実績を踏まえ,前年度までの委員の泊会員,叶谷会員と共に継続的に進めており,第42回学術集会2日目に学会特別企画「診療報酬を獲得できるエビデンスを積み重ねる-重症心身障害児の在宅生活を支える訪問看護事業-」を企画し,これまでの研究成果を報告する予定であることが報告された。
また,泊会員が取り組んでいる診療報酬を獲得できるエビデンスをつくる研究「障がい児と家族の生活世界を広げる支援事業」に対し,看保連から約50万円の研究助成が得られることになった旨の報告があった。
担当・宮腰副理事長より,6月29日(水)に第28回社員総会に参加し,主な議題として災害看護支援事業に関する規程が示され,決定事項として,既に本学会理事にはメール配信済みであることが報告された。また,平成29年度に役員選挙が予定されており,その話し合いがなされたこと,日本医療研究開発機構(AMED)の関根小乃枝氏より研究助成への応募に関する依頼があった旨が報告された。
担当・山口理事より,9月15日(木)開催の「第1回診療報酬のあり方検討委員会・介護報酬のあり方検討委員会合同会議」では,平成30年度の診療報酬・介護報酬改定に向けた要望書の検討があり,泊会員が出席予定であることが報告された。9月29日(木)開催の第6回情報交換会にて,迫井正深氏(厚生労働省)による講演「医療と介護をつなぐ看護への期待」が予定されており,学会ホームページ等を活用して広く周知する予定であることが報告された。
担当・川口理事長より,去る7月23日(土)に看護学分科会主催の公開シンポジウム「ケアサイエンスとは何か,その必要性を議論する」が開催された旨の報告があった。また,「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準」が各分野で検討されており,看護学分科会でも「看護学教育課程編成上の参照基準内容」を検討し,報告書を作成中であること,さらに,新たな取り組みとして「地方創生に関わる看護の役割」の検討を始めており,日本学術会議では,上記3つを柱に役割分担を決めて進めていることが報告された。
第42回学術集会長・川口理事長より,今年度は主要な2つの看護系学会(日本看護学教育学会,日本看護管理学会)の学術集会と重複しており,現状として参加者数を少なく見積もらざるを得ない状況であることが報告された。今後の学術集会のあり方を再考する時期がきており,本学会の特色や他学会との差別化・役割分担等についても検討が必要であることが共有された。
第43回学術集会長・山口理事より,チラシをもとに,次年度の学術集会が,8月29日(火),30日(水)の平日に,愛知県東海市(東海市芸術劇場,日本福祉大学東海キャンパス)で開催されるとの報告があった。本学術集会における一番のメッセージは,学術集会のテーマ「原点回帰」であり,日本看護研究学会の発足の経緯や目的,今後の学会のありようを見直す機会としたいと説明された。
第42回学術集会長・川口理事長より,定款(第7章 社員総会 第29条(会員総会)3.)上,社員総会の議長は,学術集会長(川口理事長)が務めることになっており,本総会の報告事項,審議事項の提案は,本田副理事長に委ねられることが報告された。
会員総会の出席予定者が99名,委任状提出者が1,803名と,定足数を満たしており,議事開催が成立する予定であること,他会場のスケジュール等を考慮し,総会の開始時間を10分遅らせて12時10分とすることが報告された。議事の進行および分担が確認され,書記は,杉浦評議員,東評議員の2名に依頼し承諾を得ていることが報告された。
委員長・青山理事に代行して川口理事長より,現行3名の委員に1名を追加することが提案され,新たな委員として勝山貴美子先生(横浜市立大学)が承認された。
委員長・前田理事より,学会ホームページについて,「理事長挨拶」「概要・沿革」の2ページ(400字×9.5枚:見積額102,600円)の英文化が提案され,異議なく承認された。概要,理事長挨拶については,英文化の前に再度の原稿(日本語文)の見直しを行うこと,ホームページの構成についても担当の塩飽理事を含めて今後検討されることが決定された。
委員長・中西理事より,資料に基づき,平成28年度大規模災害支援事業実施要領について,支援対象の範囲の拡大を視野に入れた内容の検討が提案された。平成27年度の変更点としては,看護学生に加え,本学会員(看護学研究者)が新たな対象とされたが,結果として研究者からの申請はゼロであった旨が報告された。今回の審議では,被災内容を「自宅の損壊や収入が途絶えた場合」から,「研究機器の破損」等にまで拡大することが中心に議論され,結論として,実施要領は変更せず,今後の応募状況について様子をみること,また,継続審議とすることが決定された。
大規模災害支援事業の考え方として,直近の災害のみならず,将来的に発生するであろう災害への支援も考慮し,広い視野での方針を決定すること,さらには,看護系学会協議会との差別化や本学会の役割についても明確にすることの必要性が確認された。
資料をもとに,入会申込者の一覧が確認され,承認された。
日 時 | 平成28年8月20日(土) 12:00~13:00 |
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会 場 | つくば国際会議場2階大ホール(第1会場) |
会員総会をはじめるに当たり,今期から理事長となった川口孝泰理事長より挨拶が行われた。
また,定款(第7章 第29条(会員総会)3項)において,会員総会の議長は,その年度の学術集会長が当たるとなっているため,定款の規定を優先し,会員総会の議長として役割を務めること。議事進行として,報告事項等,内務に関しては,理事長に代わり,副理事長本田彰子先生が進める旨の説明がなされた。
議 長 | 定款 第7章 会員総会 第29条(会員総会)3.議長は学術集会長が当たる。第42回学術集会長は,川口孝泰。 |
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書記の任命 |
引き続き,評議員から2名の書記の推薦・任命が行われた。 東サトエ 評議員 杉浦太一 評議員 |
総会成立の確認 |
定款 第7章 会員総会 第29条(会員総会)4 .会員総会は会員の10分の1以上の出席がなければ議事を開き議決することはできない。に基づき,会員総会成立の確認がなされた。 会員総数 6,435名(8 /18現在) 欠席委任状 1,803名(8 /18現在) 当日出席者 65名 出席者と欠席委任状の総数は1,868名で,会員の10分の1以上の出席(欠席委任状含む)があった。 |
本田彰子副理事長より,平成28年8月18日現在,一般会員6,256名,評議員165名,名誉会員14名で,総数6,435名であること,平成28年度会費納入率:79.04%であるとの報告があった。
本田彰子副理事長より,資料2頁に基づき事業報告があった。
1)会計報告
岩本幹子会計担当理事より,資料3~26頁について会計報告があった。支払助成金は地方会の役員選挙の補助費として,前年度の予算額より多く決算がなされていること。また,学術集会事 業繰出金が予算を大きく上回り,2,523,698円の支出となっているのは,第41回の学術集会の赤字補填のために,予算よりも多く支出されたことによるとの説明があった。
2)監査報告
松田たみ子監事より,資料27頁について監査報告があった。監査意見として,会費収入については,納入率が向上するとともに,過年度の未納会費の回収も進んでおり,学会会費の収支状況 は良好であり,学会資産(一般会計の黒字額,一般正味財産期末残高額)について,本学会の将来構想として有効活用の検討を期待する旨が報告された。
資料28頁にある税理士の金子和寛氏による会計調査報告書が渡邉順子監事の代読にて報告された。
本田彰子副理事長より,平成27年11月に投票期間を設け開票を12月初旬に行なった結果,75~76頁に掲載した73名の新評議員が選出されたとの報告がなされた。
また,1月に役員の選挙を行い,資料72頁に新役員(理事・監事)を掲載しているとの報告があった。
本田彰子副理事長より,資料49頁の学会賞,奨励賞規定について,第5条(受賞の資格)の詳細について改訂がなされたこと,雑誌投稿規定について,資料64頁の12.著作権の項において,引用・転載の手続きの詳細について改定を行なったことの報告があった。
本田彰子副理事長より,資料29頁について事業計画の報告があった。
岩本幹子会計担当理事より,予算報告があった。事業活動支出では,会議費・運営費の支出が平成27年度の決算に比較して減っているが,これはジャーナルの電子化の初期投資が完了したことによるとの説明があった。
奨学会委員会委員長 石井範子理事より,平成28年度奨学研究候補者として,西田千夏氏が選考された。研究課題「発達支援を要する子どもとその家族に対する看護師等支援者の内省・洞察体験の構造」であり,奨学金額は50万円と報告された。
学会賞・奨励賞委員会委員長欠席のため,委員の石井範子理事より報告があった。
1)平成27年度学会賞について:該当者なし
2)平成27年度奨励賞について:山田隆子氏 熊谷理恵氏,日比野友子氏の3名が選考された。
川口孝泰学術集会会長より,予定通り順調に進んでいるとの報告があった。
本田彰子副理事長より,以下の報告があった。
1)第43回学術集会は,日本福祉大学の山口桂子先生が愛知県で開催する。
2)第44回学術集会は,熊本大学の前田ひとみ先生が熊本県で開催の予定である。
・日本学術会議について
川口孝泰理事長より,日本学術会議のミッションと事業について報告があった。
・日本看護系学会協議会の活動について
宮腰由紀子副理事長より,平成28年度の社員総会について報告があった。
・看護系学会等社会保険連合(看保連)の活動について
宮腰由紀子副理事長より,「重症心身障がい児の在宅支援を支える訪問看護事業」について看保連から助成を受け,継続しているとの報告があった。
・地方会の活動について
本田彰子副理事長より,地方会活動については,地方会会則に則り,所属の地方会において,地方会選挙が行われ,学術集会等も活発に行なわれている。各地方会では会員に案内や報告がな されている通りであるとの報告があった。
本田彰子副理事長より,第45回(平成31年度)学術集会会長について,理事会で推薦された大阪医科大学の泊裕子氏が報告され,審議の結果,学術集会長として承認された。
本田彰子副理事長より,定款に則り(定款 第3章 第6条 3)による)理事会により名誉会員として推薦され,社員総会の議を経て推薦された帝京科学大学の泉キヨ子氏が報告され,審議の結果,名誉会員として承認された。
特になし
以上で会員総会を終了した。
会員総会終了後に以下の事項が行われた。
・名誉会員の証授与
川口孝泰理事長より,本学会に対する多大なる貢献を顕彰し,帝京科学大学の泉キヨ子氏に名誉会員の証が授与された。
・平成28年度奨学会奨学金授与
川口孝泰理事長より,西田千夏氏に奨学金目録が授与された。
・平成27年度奨励賞表彰
川口孝泰理事長より,奨励賞の表彰がされた。 熊谷理恵氏
山田隆子氏 (欠席のため郵送)
日比野友子氏 (欠席のため郵送)
・第43回(平成29年度)学術集会会長挨拶 山口桂子氏(日本福祉大学)より,第43回(平成29年度)学術集会について,平成29年8月29日・30日に愛知県東海市で開催することの説明がされた。