第118号 (2021年4月20日発行)
一般社団法人日本看護研究学会 2020年度第3回理事会 議事録
日 時 |
2020年11月29日(日)13:00~16:50 |
会 場 |
オンライン会議システムによるWeb 開催 |
出席者(敬称略) |
深井喜代子,浅野みどり,鈴木みずえ,阿部幸恵,岡美智代,川口孝泰,工藤せい子,国府浩子,小松万喜子,佐藤正美,佐藤洋子,塩飽仁,高見沢恵美子,中西純子,布施淳子,法橋尚宏,前田ひとみ,森千鶴,矢野理香,若村智子(以上,常任理事・理事20名)
稲垣美智子(監事1名)
城丸瑞恵(第46回学術集会会長) |
欠席者(敬称略) |
工藤美子,祖父江育子(理事2名)
西田真寿美(監事1名) |
陪 席(敬称略) |
竹下清日,海老根潤(ガリレオ社) |
書 記(敬称略) |
前田ひとみ |
議事進行 |
理事長 深井喜代子 |
資料
- 会員動向報告
- 2020年度上半期決算・会計監査報告
- 編集委員会報告
- 国際活動推進委員会報告
- 大規模災害支援事業委員会報告
- 看護系学会等社会保険連合ワーキング報告
- 第46回学術集会報告
- 第47回学術集会予算について
- 日本看護系学会協議会2021-2022役員選挙被選挙人の推薦について
- 入会申込
議事録の確認
2020年度第2回理事会議事録と2020年第1回臨時理事会(書面)議事録について,承認された。
報告事項
1)会員数の動向(資料1)
鈴木みずえ副理事長から,11月27日現在の会員の動向の報告があり,平成27年をピークに減少傾向にあることが説明された。
2)2020年度上半期決算・会計監査報告(資料2)
会計担当国府浩子理事から9月30日までの一般会計,奨学会特別会計,選挙事業積立金特別会計(本年は選挙実施年に該当しない),災害支援特別会計の収支決算の報告があり,以下の説明があった。
- 会員数の減少に伴い,収入が減少している。
- 事業費が昨年よりも減少しているのは,請求・支払いが昨年よりも遅くなっているためである。
- 今年度は会議がオンラインで行われているため,交通費,会議室使用料が不要であり,支出が減少している。
稲垣美智子監事から監査の結果,予算執行は公正に行われているが,委員会で活動を追加・補正して予算変更した場合,内容がわかるように明記したほうがいいという指摘があった。なお,予算自体は社員総会では報告事項になっているため,予算の補正に関しては理事会承認でよく,社員総会で承認を得る必要はないことが確認された。
3)委員会報告
① 編集委員会(資料3)
編集委員会委員長法橋尚宏理事から,以下の報告があった。
- 43巻5号まで早期オンライン公開が終わっており,現在,採択済みの論文が16編である。
- 論文投稿状況は昨年度と同じ程度である。
- コロナ禍論文投稿が4本あり,1編採択,1編不採択,2編査読中である。
② 奨学会委員会
奨学会委員会委員長阿部幸恵理事から,9月23日~12月4日で奨学会研究論文の公募中であり,現在2件応募があったことが報告された。
③ 学会賞・奨励賞委員会
学会賞・奨励賞委員会委員長工藤せい子理事から,現在,学会賞・奨励賞を審査中で,1月9日の会議で決定予定であることが報告された。
④ 将来構想委員会
将来構想検討委員会委員長深井喜代子理事長より,会員減少への対応等について話しあっていることが報告された。
⑤ 研究倫理委員会
研究倫理委員会委員長高見沢恵美子理事から,「日本看護系学会協議会(JANA)利益相反(COI)検討」の報告があり,各学会の意見を聴取することになっているが,本日まで原案の提示がなかったことから,今後,次回の理事会までに締め切りとなっていた場合は,書面理事会を開催することで了承が得られた。
⑥ 国際活動推進委員会(資料4)
国際活動推進委員会岡美智代理事から,看護における研究を世界に発信することを目的とした講演会(テーマ:国際論文執筆時の国際ルール)企画について報告があった。会員限定で参加費は無料で行い,広報については,ホームページの掲載と会員メール配信することで承認された。
⑦ 大規模災害支援事業委員会(資料5)
大規模災害支援事業委員会委員長中西純子理事から,大規模災害支援の申し込みを10月31日まで行ったが応募者はなく,2020年度上半期は246,000円の寄付があったことが報告された。
⑧ 広報委員会
広報委員会委員長塩飽仁理事から,ニュースレター第3号を9月に発行し,12月発行予定の第4号を編集中であること,Webで使用しているソフトの保守点検について,来年から年間契約をする予定で検討中であることが報告された。
⑨ 看保連ワーキング(資料6)
看保連ワーキング委員長浅野みどり副理事長から,関連会議の進捗状況と今後の予定,プロジェクト活動,診療報酬改定要望書についての報告があった。
⑩ 実践研究活動推進ワーキング
実践研究活動推進ワーキング委員長深井喜代子理事長から,年内に会議を開催して活動のスタートをする予定であることが報告された。
4)関連会議
① 日本看護系学会協議会
医療系の分科会がなかったことから,医療系の学術会議が足並みを揃えるような検討が行われており,協力していくことが報告された。
② 日本看護系学会協議会災害看護連携会議
中西純子理事から,JANAからコロナについての活動,影響についての調査があり,回答したことが報告された。
③ 日本学術会議
浅野みどり副理事長から,第25期の日本学術会議会員は看護学からは小松浩子先生,西村ユミ先生が任命されたこと,第24期は看護分科会から「地元創生」に関する提言は発出されたこと,APNに関する提言は第二部役員審査で他委員会との調整が必要との指摘があり発出には至らなかったこと,が報告された。
5)第46回学術集会について(資料7)
城丸瑞恵第46回学術集会会長より,参加者数,演題発表数,収支概算について報告があった。深井理事長より本会から繰り入れた補助金を入れた収支決算を提出するよう依頼があった。
6)第47回学術集会について
塩飽仁第47回学術集会会長から,学術集会は「脳と心のケアとサイエンス」をテーマにオンラインにて,8月21日・22日開催予定で準備を進めていることが報告された。一般演題発表はライブ配信,講演
等についてはオンデマンド配信とし,大学内の教員だけで運営可能であるので,業者委託はしないことの説明があった。
7)地方会の活動について
鈴木みずえ副理事長から,北海道地区と九州・沖縄地区の役員選挙があったことが報告された。
8)その他
なし
審議事項
1)第47回学術集会予算について(資料8)
塩飽仁第47回学術集会会長から,学術集会予算について,収入については,参加者を今年の半分で見積もっており,展示収入は見込めないことを予想し案を作成したことが説明された。もし,現地開催が
可能となった場合は,大学の講義室を使用し,その場合,70~80人の収容が可能である。
- 学術集会の補助金について70万円ではないかという質問があり,事務局から補助金は50万円であるが,名誉会員の参加費を見越した額が70万円であることが説明された。
- 参加費について,事前参加費と当日参加費に差をつけるかについては,再検討することになった。
- 人数を少なく見積もっていることに対し質問があり,人数制限をかける予定はないことが説明された。
2)編集委員会(資料3)
① テクニカル・エディター(編集技術者)の費用について
- 現在,テクニカル・エディターを依頼している会社から1ページにつき200円引き上げてほしいという要求に対応するための年間8万円の割り増しについて,承認された。
- テクニカル・エディターについて,会社依頼と専属を両方雇うことについて提案があり,承認された。
② 英文抄録のネイティブチェックについて
- ダブルチェックという意味で,学会サイドで再度ネイティブチェック(年間,約6万円程度)を依頼することが提案され,承認された。
③ 『日本看護研究学会雑誌』の発行日について
- 現在,1号が4月発行,2号が6月発行,4号が9月発行,5号が12月発行となっているが,会計年度を考慮して,3か月毎の発行として,1号を4月発行,2号を7月発行,4号を10月発行,5号を1月発行にすることが提案され,承認された。
④ 委員会活動を論文として掲載する際のルールについて
- 委員会活動で実施した論文は査読を経た学術論文として報告し,所属は大学名ではなく委員会とすることが承認された。
⑤ 総説の定期的な掲載について
- 総説(依頼原稿)を年間2テーマ(2号と5号)で最低1編は掲載することについて提案があり,承認された。依頼原稿については編集委員会で確認することで,査読有の対応とすることが承認された。
⑥ 学会誌のpdfファイルの保護について
- J-STAGE上のpdf ファイルについては保護しないことが提案され,承認された。
⑦ 学術集会プログラム集のノンブルについて
- 学術集会プログラム集と講演集のページ下部に,日本研究学会雑誌とクレジットされているものがあるが,学術集会プログラム集と学術集会講演集とすることが提案され,承認された。
⑧ 構造化抄録への統一について
- 抄録は構造化された形式とすること,英文抄録は250ワードにすることが提案され,承認された。
⑨ 不採択になった論文と取り下げ論文の扱いについて
- 不採択になった論文の再投稿は認めていないことと,取り下げについては,理由を明確にすることを明文化することが提案され,承認された。
⑩ 原稿執筆要項などの改訂について
- 原稿執筆要項などの改訂について提案があり,承認された。
図表について体裁が整っていないものの掲載について,改善可能か検討してくれるよう,深井理事長より依頼があった。
⑪ オンライン英文誌の発刊について
- オンライン英文誌(Journal of International Nursing Research)発行を事業として立ち上げ,新たに予算を組むこと,創刊準備および編集事務局を杏林舎に委託することが承認された。
- 将来構想委員会の下部組織としてWGを立ち上げて創刊準備を進めるが,メンバーについては候補者が決定後,書面理事会で承認を得ることが確認された。
3)2020年度大規模災害支援事業申請募集期間延長について(資料5)
- 中西純子理事から,募集期間を1月31日まで延長し,会員外の学校まで含めて広く募集することの提案があり,承認された。
4)日本看護系学会協議会2021-2022役員選挙被選挙人の推薦について(資料9)
- 深井喜代子理事長から理事候補として浅野副理事を推薦し,監事は推薦しないことが提案され,承認された。
5)その他
① 入会申込理事会承認(資料10)
入会申込のあった60名について,全員,会員として承認された。
② その他
中西純子第48回学術集会会長から,2022年8月27日(土)・28日(日) 松山市総合コミュニティーセンターで開催予定であることが報告された。
次回会議:2月28日13:00~予定
一般社団法人日本看護研究学会 2020年度第4回理事会 議事録
日 時 |
2021年2月28日(日)13:00~17:15 |
会 場 |
オンライン会議システム(Zoom)によるオンライン会議 |
出席者(敬称略) |
〔常任理事・理事〕深井喜代子,浅野みどり,鈴木みずえ,阿部幸恵,岡美智代,川口孝泰,工藤せい子,工藤美子,国分浩子,小松万喜子,佐藤正美,佐藤洋子,塩飽仁,祖父江育子,高見沢恵美子,中西純子,布施淳子,法橋尚宏,前田ひとみ,森千鶴,矢野理香,若村智子(22名)(欠席なし)
〔監事〕稲垣美智子,西田真寿美(2名)(欠席なし)
〔事務局〕竹下清日,海老根潤(ガリレオ社) |
書 記(敬称略) |
佐藤正美 |
議事進行(敬称略) |
理事長 深井喜代子 |
配布資料
資料1.会員動向報告
資料2.編集委員会資料
資料3.奨学会委員会資料(奨学会委員会議事録,報告書)
資料4.「高度実践看護師(APN)制度に関する意見交換会」(JANA主催)報告書
資料5.2020年度学会賞・奨励賞の推薦について
資料6-1.大規模災害支援事業について
資料6-2.2020年度大規模災害支援事業支援案
資料7-1.2020年度事業報告・2021年度事業計画
資料7-2.2021年度定時社員総会用_2020年度事業報告・2021年度事業計画(案)
資料8-1.2021年度予算案_ 各委員提出分
資料8-2.2021年度予算案
資料9.学術集会一覧
資料10.名誉会員推薦内規
資料11.学生年会費の設置について
資料11-①.学会学生年会費調査
資料11-②.学生年会費を想定した場合のJSNR会費試算
資料12.入会申込理事会紹介一覧
Noなし 2020年度第3回理事会議事録
議事録の確認
2020年度第3回理事会議事録は承認された。
報告事項
1.会員数の動向(資料1)(鈴木副理事長)
資料に基づいて説明。2021年2月25日現在,会員総数6,002名,会費納入率は90.16%
2.第46回学術集会決算について(会計担当 国府理事,深井理事長)
- 学術集会会長より決算書は届いているが未確認事項もあり,詳細な報告は後日となる。
- 残金約58万円は本会に振り込まれており,5月に会計監査を受ける予定。
- 学会参加者1,150名,アクセス数23,003回,動画再生回数は3,067回であった。
3.委員会報告
1)編集委員会(資料2)(法橋理事)
資料に沿って説明があり,主な内容について下記に記載した。
- コロナ禍の投稿論文は7編で,1本がアクセプト,2本リジェクト。4本査読中である。雑誌に掲載する際は本論文の前に扉頁を挿入し,コロナ禍の論文であることを示す。
- 転載依頼は10件あり,条件を付して許諾した。古い論文の依頼もあった
- 学術集会抄録号である第3号のJ-STAGEへの登載において,41巻(2018年),42巻(2019年),43巻(2020年)の3冊分が未登録である(41巻,42巻は前理事会期間)。この3冊分のJ-STAGEへの登載には約250万円の費用がかかるが,2021年度の予算に計上するものとして,登載作業を進める。
なおJ-STAGEには,発表取り下げとなった抄録は登載しない。
- 第47回学術集会では,「JINRの発刊へ向けて」を特別交流集会として企画する。
2)奨学会委員会(資料3)(阿部理事)
- 奨学会研究として応募者5名の中から1名の候補者を選考
- 奨学会授与者の研究遂行および論文化の進捗状況の確認
- 本学会誌への論文掲載が進まないことから以下の申し合わせを確認した。
①奨学金授与者は本学会への投稿を優先すること
②本学会への論文投稿時,カバーレターに奨学金授与者であることを明記すること
3)学会賞・奨励賞委員会(工藤せい子理事)
- 学会賞および奨励賞の対象論文から候補者・候補論文を選考した。
4)将来構想委員会(深井理事長)
将来構想委員会活動については,3.審議事項,5)2020年度事業報告と,11)の項で述べる。
5)研究倫理委員会(高見沢理事)
- 2月26日にJANAから,COIに関するガイドライン(「COI管理ガイドライン」)が完成したことの連絡があった。3月発刊予定であり,HPにも公開される予定である。
6)国際活動推進委員会(岡理事)
- 2月10日にオンラインセミナー(100名限定で満員御礼)を実施した。3月31日まで会員はオンデマンドで視聴可能である。
- 法橋理事より,録画情報がダウンロード可能な状態であることが指摘された。事務局(ガリレオ)が至急状況を確認し,適切に対応することになった。
7)大規模災害支援事業委員会(中西理事)
- 2月13日(土)福島県沖に発生した震度6強の地震が大規模災害に該当するか否かを検討した。建物の被害は少なく,現在のところ内閣府から激甚災害との指定はされていない。本学会で定義している大規模災害には該当しないことを確認した。
8)広報委員会(塩飽理事)
- ホームページの更新を随時進めている。
- トップページに第48回学術集会の日程を掲載した。
- ニュースレター第4号を制作し,会員に送付するとともにHPで公開した。
- 地方会ではHP担当者が変更したところもあり,連絡をとりながら進めている。
9)看保連ワーキング(浅野副理事長)
- 看保連から2021年度研究助成の募集があった。会員より2件の応募があり,提出書類を理事長とともに点検し提出予定である。
- 2022年度診療報酬改定へ向けての要望書リストを提出した。小児看護学会と共同での提出,全国訪問看護財団と共同での提出を,それぞれ検討中である。
10)実践研究活動推進ワーキング(深井理事長)
- 2月に会議を開催した。研究能力はあるものの環境等で遂行困難な実践研究を企画している会員に対して,研究が遂行できるようさまざまな支援活動を検討中である。
4.関連会議
1)日本看護系学会協議会(浅野副理事長)
JANAの各種活動について
- 学術会議25期役員人事の見送りの件について,合同表明を発表した。
- コロナ禍にある看護職へのメッセージおよび国民へのメッセージを発出した。
- 看護ケアガイドラインに関するパネルディスカッション(3月9日開催)に参加予定である。
- COI管理規定に関する検討会に参加した。
- 1月23日に開催されたAPN制度に関する意見交換会に川口理事・佐藤理事が参加し,報告書をまとめてくれた。(資料4)
2)日本看護系学会協議会災害看護連携会議(中西理事)
前回理事会より追加となる報告はない。
3)看護系学会等社会保険連合(浅野副理事長)
- 3月に2つの会議(診療報酬関係,看護技術関係)があり,各担当が資料を作成し出席する予定である。
4)日本学術会議(川口理事)
- 日本学術会議より,関連学会に対して,学術会議の今後の運営や役割についての意見を求められ,Web上にて日本看護研究学会名で提出した。概ね,日本学術会議が発出した在り方についての方針を賛同しつつ,とくに政府から独立したNational Academyとしての役割を引き続き果たしてもらうことを確認するとともに,学術会議の会員については,連携会員も含めて若手を積極的に登用してほしい旨の意見を述べた。
5.第47回学術集会について(塩飽学術集会会長)
準備状況の報告があった。
- HPを作成し,参加登録等,現在進行中である。現在,演題登録は20件である。
- コロナ禍で他学会の学術集会では演題応募が少なく,1/3くらいとなっているとの情報がある。
- 赤字にならないように,工夫しながら準備を進めている。
- ハイブリッド方式で開催できるか否かを決定するには,今しばらく時間を要する。
- 一部対面での開催が可能となれば,東北大学の校舎を使用する予定である。
- 対面が不可能な場合は,講演はオンデマンド方式,口演発表はリアルタイム・ライブ配信方式を予定している。
6.地方会の活動について(深井理事長)
1)北海道:2月21日(日)にWeb で,特別講演会を開催
2)東海:3月13日(土)にWeb で,第25回学術集会を開催
3)近畿・北陸:3月20日(土)に,第34回学術集会を開催
4)中国・四国:3月7日~3月21日の期間にWeb で,第34回学術集会を開催
7.その他
なし
審議事項
1.2021年度奨学会奨学金授与者について(資料3)(阿部理事)
- 清水三紀子氏(研究課題「非侵襲的な測定機器を用いた産褥期におけるヘモグロビン値の経時的変化と影響因子」)(奨学金額50万円)を推薦する。
- 研究方法について加筆が必要な部分があったため,その点を付記して本人へ通知する。
- 奨学会予算は100万円であるため,その他の研究についても検討したが,研究実施可能性などを検討した結果,上記1件のみを候補者とした。
審議の結果,推薦された清水氏に50万円の奨学金授与が承認された。
申請者の条件に「3年以上の会員歴がある者」とある。この条件は標準的ではあるが,若手を支援しようとする狙いから考えると3年は長いのではないかとの意見があった。これについては,今後,委員会で検討する。
2.2020年度学会賞・奨励賞推薦について(資料5)(工藤せい子理事)
資料に基づき,推薦者と推薦理由が説明された。
1)学会賞
審議の結果,推薦した磯村由美氏(論文題目「意思伝達能力の低下した高齢者の意思を看護師がくみ取り援助を展開するプロセス」)を候補者とすることが承認された。
2)奨励賞
審議の結果,推薦した以下の5本の論文を候補論文とすることが承認された。
(1)論文題目: 3か月以内に再入院した統合失調症患者に対する地域定着に向けた中堅・熟練病院看護師の支援プロセス,牧 茂義,永井 邦芳,安藤 詳子
(2)論文題目: 子どもの見方を変えていくしなやかさ:療育教室に参加する母親と看護者との対話を通した協働的な学び,山本 真実,浅野みどり
(3)論文題目: 計画的行動理論に基づく看護師の転職意思決定モデルの構築,田中 聡美,布施 淳子
(4)論文題目: 青年期以前に発症した中年期クローン病患者の生活の再構築,山本 孝治,中村 光江
(5)論文題目: 精神疾患を有する母親の育児体験の意味,上田 明美,石橋 照子,吉川 洋子
3.大規模災害支援事業について(資料6-1,6-2)(中西理事)
1)令和2年度7月豪雨災害被災者への支援の適否について
1月31日まで応募期間を延長した結果,2名(会員1名,学生1名)から申請があり合計33万円の支援案を作成した旨,資料に沿って説明があった。
審議の結果,2件とも支援案のとおり承認された。
2)COVID-19など新型感染症のパンデミックによる被害を本事業の対象に加えるか否かについて〔委員会での議論とその結果〕
コロナ禍で困っている学生が多いことが推測される(文科省による調査を基にコロナ禍で中途退学及び休学した看護学生数を推計)。本学会の規程では自然災害のみが対象となっているため,このコロナ禍を自然災害に加えるか否かを議論した。その結果,アルバイト収入減を証明する方法が難しいことや,対象となる学生数が相当数になり本事業の対応力を超える可能性があることから,今回は対象外とした。
理事会での議論
- 会員に限定して,支援を検討してもいいのではないか。医療職の中には,家族への感染を予防するためにホテル住まいを強いられ困っている人もいる。
- 感染が特に拡大している都内などでは,生活に困窮する学生への募金活動もあった。
- 議論の結果,学会が他団体へ寄付をすることなども含め,再度委員会で検討することになった。
4.学会誌編集事業について(資料2)(法橋理事)
資料2の2ページ以降の審議事項について,説明があった。特に英文誌,Journal of International Nursing Research(JINR)の発刊にあたり,整備が必要なさまざまな準備事項の提案があった。
1)本学会機関誌『日本看護研究学会雑誌』の英語論文の受付中止について承認された。
2)Journal of International Nursing Research(JINR)の創刊について
- 英文誌の編集委員を担う資格を有する人材が不足している。本学会の理事・監事からのAssociate Editorの自推を請う旨,伝えられた。
- 英文誌立ち上げに必要な諸々の準備を進めるには,編集委員会規程の一部改定が必要である。今後は,和雑誌と英文誌を効率的かつ円滑に運用するためにも,それぞれの編集委員会は独立した組織とすることが望ましい。現段階では,規程を修正して対応する。
- Deputy Editorとして香港大学のリン教授を迎えるべく交渉中である。
本件は現行の規程に反する(非会員を編集委員とする)ため,編集委員会規程第3条第6項を追加する。
- オンライン投稿査読システム(ScholarOne)の最低契約単位の年間40投稿で契約する。
- APC投稿料(会員でない場合)は10万円を考えている。
以下の意見が出され,編集委員長の考えが確認された。
意見
- Associate Editorや査読者の基準をインパクトファクター5以上とすると,該当者は少人数となり,専門領域を考えると難しいのではないか。
- Internationalなジャーナルとして,編集委員も学会員に限定しないで進めることも視野に置いている。
編集委員長法橋理事より
- PMCで認められることを目指したいため,この程度の基準は必要である。
以上,提示されたすべての方針について承認された。なお,3月中旬に取り決め事項の暫定版を作成するため,以下について依頼があった。
理事・監事への依頼事項
- Guidelines for Authors,Guidelines for Reviewers,Ethics Policiesの内容確認(資料10)
意見等あれば2021年3月5日(金)までに法橋理事にメールで伝える。
5.2020年度事業報告について(資料7-1,7-2)(深井理事長)
資料に沿って深井理事長より説明,各委員長より補足があった。
すべての報告事項について,承認された。
- 編集委員会
- 奨学会委員会
- 学会賞・奨励賞委員会
- 将来構想委員会
- 将来構想委員会 看保連ワーキング
- 将来構想委員会 実践研究活動推進ワーキング
- 研究倫理委員会
- 国際活動推進委員会
- 大規模災害事業支援委員会
- 広報委員会
6.2021年度事業計画について(資料7-1,7-2)(深井理事長)
資料に沿って深井理事長より説明,各委員長より補足があり,審議を進めた。
なお,将来構想委員会の事業計画に英文学会誌の発刊を追加するよう監事から指摘があり,追加することとなった。
すべての計画について審議の結果,承認された。
7.2021年度予算案について(資料8-1,8-2)(国府理事)
資料に沿って説明があった。
予算案は3月末まで修正可能。微調整する際は会計担当理事・事務局まで申し出る。
8.第50回(2024年),第51回(2025年)学術集会会長の推薦について(資料9)(深井理事長)
- 第50回学術集会会長は,上野栄一氏(福井大学)を推薦したい旨深井理事長より提案があり,承認された(上野氏より内諾あり)。
- 第51回学術集会会長および第52回学術集会会長については,下記2名の推薦があり,両名が引き受ける方向で,開催順を後日,理事長宛てに報告することになった。
(3月4日付で以下,内諾を得た。
2025(R7)年 第51回学術集会会長 法橋尚宏氏(神戸大学)
2026(R8)年 第52回学術集会会長 岡美智代氏(群馬大学)
9.名誉会員の推薦について(資料10)(深井理事長)
規程の条件を概ね満たす会員として2名が候補に挙がり,審議の結果,名誉会員として推薦されることが承認された。
10.選挙管理委員会委員の選出について(深井理事長)
- 2021年度定時社員総会にて,選挙管理委員を評議員の互選で選出する必要がある。
- 理事会としては,前回の選挙管理委員を務めた小長谷百絵氏(上智大学)と,関東近郊の評議員から森真喜子氏(国立看護大学校),塚本尚子氏(上智大学)の2名を推薦したい旨,深井理事長より提案があり承認された。
11.学生年会費の設置について(資料11,11-①,11-②)(深井理事長)
深井理事長より,会員数減少対策として,若手会員増を目的として学生年会費設置の提案があった。
- 会員種別の変更に伴い,事務的に混乱はないかとの問いに,事務局より,格別混乱はないだろうとの回答があった。
- 学生年会費の設置について賛成意見が多かったが,以下,様々な意見が出され,審議は持ち越しとなった。
意見
- 対象者が多くなった場合には,財政的に厳しくなる。
- 「フルタイム学生」だけではなく全学生とすればよい。
- 全学生とすると,有職者も申し出る場合があり,趣旨から矛盾する。
- 「フルタイム学生」の証明は難しい,という意見に対して,入会申込時に指導教員のサインをもらうことで担保できるという案。
- 最近では大学院生の修業年限はかなり長期に及んでいるが,その間は学生会費となるのは妥当か。
- 修士課程のみとしたり,標準年限,という期間の決め方もある。
- フルタイムの博士課程の院生でも生活に窮する者もいるため,対象とすべきである。
- 学部学生に学会参加を推奨したり,授業の一環としている大学もあり,学部生の入会希望者もいる。
- 対象を学部学生とすることと,大学院生とすることでは,状況が異なってくるため,整理が必要である。
- (期間限定で入会した者において)学生会員期間が終了しても学会誌が送られてくるなど,当人が困るという例もある。それを考慮してシステムを考える必要がある。
- 学生年会費を「フルタイムの学生」に限定して適用している学会がある。
- もともと本学会は年会費が安い学会である。事業費を考えると,むしろ学会費の値上げを考えることも必要なのではないか。
- 学生会員を提案した趣旨は,本学会の活性化である。若い人たちが入りやすく参加しやすいようにしたい,ということである。
会議後,引き続き理事からの意見を求め,理事長が本理事会での意見と合わせて整理した後,臨時理事会(又は書面理事会)を開催して,継続審議することにした。
12.その他
1)入会申込理事会承認(資料12)(深井理事長)
51名について承認された。
2)2021年度理事会,社員総会,会員総会日程および開催方式について(深井理事長)
(1)社員総会の方法
例年5月第3日曜日に開催しているが,規程上は6月末までに開催すればよい。
集合開催の場合,参加率60%程度,人数にして70~80名の出席がある。
2021年度は5月23日(日)に(ZOOMで)「意見交換会」を開催し,そこで出た意見を元に,委任または書面による議決権行使で表決をとるという案で進めることとなった。
(2)会員総会の方法
2020年度は審議事項がなかったため,学会ウェブサイト上で報告を行って意見募集をし,会員総会に代えることとしたが,今年度は審議事項(名誉会員の承認と学術集会会長の選出)があるため,書面で決議をとる。
次回,5月23日の前の時期に理事会を開催する
以上