ニュースレター

東海地方会からのニュースレターを掲載いたします。

ニュースレター(Vol.26)

2022年10月1日 発行

秋冷の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
日頃より、一般社団法人日本看護研究学会東海地方会の活動に、格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 今年度の東海地方会は、2022年度東海地方会総会を、昨年と同様に委任状または議決書による開催とさせていただきました。第27回学術集会は、オンライン開催とさせていただき、準備を進めております。2022年度セミナーにつきましては、オンラインと対面のハイブリットで行い、少しずつ対面の機会を取り入れております。
 東海地方会では、迅速な情報提供を心がけ、皆様とつながる地方会の運営に努めて参ります。東海地方会のお知らせにつきましては、郵送とメール配信、東海地方会のホームページへの掲載を行い、皆様に多くの情報をお届けできるようにしてまいります。本会にメール登録をされている会員の皆様には、適時メールによる情報発信をさせていただきますので、本会へのメール登録、所属変更等のお手続をお願いいたします。
 会員の皆様には、引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

東海地方会会長 白尾久美子

記事
● 2022年度事業計画
● 第26回 社)日本看護研究学会東海地方会学術集会報告
● 2022年度 社)日本看護研究学会東海地方会総会報告
● 第27回 社)日本看護研究学会東海地方会学術集会のご案内
● 2023年度 社)日本看護研究学会東海地方会セミナーのご案内

2022年度事業計画

1.第27回東海地方会学術集会
 プランナー:粕谷恵美子(名古屋女子大学)
  期 日 :2023年3月4日(土)
  開催方法:オンライン
  テーマ :"SDGs「看護にできること」"

2.2022年度セミナー
 プランナー:市江和子(聖隷クリストファー大学)
  期 日 :2022年5月28日(土) 10時~15時
  テーマ :「M-GTA(修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ)の基本と分析展開(ワークショップ)」
  講演者 :山崎浩司教授(静岡社会健康医学大学院大学)
  内 容 :10時~11時45分 講演:質的研究について(M-GTAの基本)
       13時~15時 分析ワークショップ:M-GTAの分析展開
  開催方法 :対面&オンライン

3.ニュースレターNo.26の発行
  2022年10月 発行

4.世話人会開催
  第1回 2022年8月3日(水)オンライン
  第2回 2023年3月

5.総会開催
  日 時 :2022年8月3日(水)
  場 所 :社)日本看護研究学会東 海地方会事務局 日本福祉大学看護学部内
  開催方法:委任状または議決権行使による参加(オンライン総会)

第26回 社)日本看護研究学会東海地方会学術集会報告

 プランナー:齋藤 真(三重県立看護大学)
 期日   :2021年3月13日(土)
 開催方法 :WEB開催(ライブ配信)
 テーマ  :「看護学と工学の接点」
 演題数  :10演題(紙上発表)
 参加者数 :55名(会員44名,非会員11名)

第26回日本看護研究学会東海地方会学術集会を抄録開催して

齋藤 真(三重県立看護大学教授,人間工学・生体情報学)

 日本看護研究学会東海地方会第26回学術集会を、「看護学と工学の接点」というテーマで令和4年3月5日(土)に開催いたしました。長引く新型コロナウイルス感染症がさまざまなところに影響を与えておりますが、本大会もオンラインによる開催となりました。参加者は55名、一般演題は紙上発表で10題でした。
 今回のテーマである「看護と工学の接点」は、私が専門とする人間工学が看護学とどのように融合しているのか、その接点について皆様に紹介しようと思いました。今日の医療を振り返ってみると診察、検査そして治療に工学的な支援のない場面はあり得ないでしょう。同様に患者さんのケアにおいても、用いる物品や手法にローテクからハイテクに至るまでさまざまな工学的な発想が盛り込まれています。「工学」には、「ヒト」と「モノ」を巧みに操る技が存在するのかもしれません。
 本学術集会では、2つの講演と1つのシンポジウムを企画しました。最初の講演は、プランナーである斎藤(三重県立看護大学)が本務校を含めて看護系の大学において人間工学の教育を行っていますが、人間工学についてご紹介をしました。人間工学は、工学系以外に医学、心理学さらに家政学などの分野で教育が行われています。近年、看護学の分野にも人間工学を取り入れる大学が少しずつ増えてきており、ボディメカニクスやヒューマンエラーなど看護学を学ぶ学生に有用であることをお示しいたしました。
 次に、産学連携知的財産アドバイザーである黒瀬昭博先生((一社)発明推進協会)に知的財産の基本と看護領域における知的財産の活用、さらに看工連携について講演をしていただきました。医工連携という言葉はよく耳にしますが、看工連携は初めて聞かれる方が多いと思います。看護領域には多くの知的財産につながる題材が眠っています。黒瀬先生は、特許庁の事業である産学連携知的財産アドバイザーをされており、三重県立看護大学をはじめとする多くの大学において知的財産の創出から活用に至るまでアドバイスをされていらっしゃいます。講演では創出された知的財産について事例を示しながらわかりやすく解説をしていただきました。会員の皆様も臨床現場で遭遇した困り事の解決に向けて試行錯誤を繰り返された経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。今後は看工連携によって現場の問題を工学的な支援で解決できる日も近いと言えましょう。
 シンポジウムは、看護学に工学的視点から研究を展開している東海地区の若手4人に看護学と工学の接点と連携についてそれぞれの立場から研究の動向やこれからの展望について話していただきました。初めに市川陽子先生(三重県立看護大学)が「月経周期がテレワーカーのメンタルワークロードにおよぼす影響」としてテレワークに従事する女性の月経周期に関する問題について報告がありました。VDT作業のガイドラインは男女の性差を考慮していないこと、さらに作業負担軽減のための工学的支援が必要なことなど、今後増加する女性テレワーカーの健康の維持、増進に寄与できるものと確信しました。稲垣圭吾先生(浜松医科大学)は「臨床現場における色の客観化方法の取り組み」と題して臨床現場で色の識別をすることが多いが、実際に正確に判定できていないのではないかという疑問から、スマートホンを用いて尿検査試験紙の色を判定するシステムを研究していることが報告されました。スクリーニングなど大規模な検診や専用の尿分析機器がない場合などに有効な判定手法となるものと期待されました。このような臨床現場からのリクエストに看護側から提案できることは非常に重要なことだと思いました。3人目の金盛琢也先生(浜松医科大学)は、「慢性疾患を持つ高齢者に対するテレナーシングの実践と課題」としてICTを活用した健康支援を行っている報告がなされました。特にお年寄りがICTを活用していけるか、工学分野のヒューマンインタフェースの視点から実際の現場で検証、それらをもとに改良をする実践的な研究でした。このような基礎研究や臨床研究の積み上げが社会実装につながるものと思われました。4人目の長谷川智之先生(三重県立看護大学)は、「カテーテル関連計画外抜去における人間工学的検討」として留置針の固定方法がさまざまであることから標準化することの必要性や抜去の原因となっているベッドサイドの環境要因について報告がなされました。標準化は製造現場では必ず用いられる工学の基本的な手法です。こうした考え方を看護に取り入れることの重要性について考えるきっかけになったと思います。
 4人の講演の後で鈴木みずえ先生(浜松医科大学)から今回の看護学と工学の接点、そして連携についてご講評をいただきました。技術革新が進む中、工学のような分野と連携をしていくことの重要性は認識しているが、まだ広く浸透していないことが課題であるとのご意見をいただきました。また、若手の研究者が自由な発想のもとに研究を継続し、工学との連携など仲間を増やしていくことが重要であるというコメントをいただきました。今後、看護と工学の接点を積極的に展開していく必要性を認識した次第です。
 最後に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けながらも研究を行い、発表をされた会員の皆様に改めて敬意を表したいと思っております。また、本学術集会にご参加いただきました皆様、開催にあたりご尽力いただきました皆様に心よりお礼申し上げます。


第26回日本看護研究学会東海地方会学術集会に参加して

長谷川智之(三重県立看護大学 成人看護学)

 この度、第26回日本看護研究学会学術集会東海地方会の開催にあたり、斎藤真教授(三重県立看護大学)がプランナー、私が事務局長を拝命いたしました。私は、当学会の全国大会には2009年から毎年欠かさず参加しておりましたが、東海地方会の参加は恥ずかしながら今回が初めてでした。当初は対面での開催を検討しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の変異株には勝てませんでした。第26回東海地方会はオンラインでの開催(一般演題は誌面発表)になりましたが、2021年10月末に他学会の実行委員長としてオンライン開催を実施した経験を活かし、さらには、東海地方会会長の白尾久美子先生ならびに東海地方会事務局の大野晶子先生に学術集会の運営に多くのご助言を賜り、査読や抄録作成、案内状作成など、スムーズに運営することができたと感じております。この場を借りて心よりお礼申し上げます。
 第26回日本看護研究学会東海地方会学術集会のメインテーマは、「看護学と工学の接点」であり、私自身も人間工学的手法を取り入れて研究に取り組んでいることから、シンポジウム「看護学と工学の接点と連携-看護学に工学的視点からアプローチする若手研究者たち-」のシンポジストとして発表する機会もいただきました。私のテーマは、「カテーテル関連計画外抜去における人間工学的検討」であり、2019年から3年間の科研費(19K10804)を獲得し実施した研究内容についてと、看工連携事業から特許取得に至った事例をまとめて発表させていただきました。発表後は、他の3名のシンポジストや参加者との意見交換が活発に行われ、自身の今後の課題も明らかになりました。シンポジウムの最後には、コメンテーターの鈴木みずえ先生から、「計画外抜去は臨床現場で多発しているアクシデントであることから、患者に負担や苦痛がない、抜去を防ぐ方法の開発および普及のために研究を進めていただきたい。若手研究者の皆様が、看護技術の革新に向けて工学的なアプローチをしていることは、素晴らしい研究成果であると感じています。」と激励を賜り、自身の研究について再考し、エビデンス構築のための研究意欲がさらに沸き上がったことを今でも覚えています。
 第26回東海地方会学術集会を開催および参加したことで、東海地方会はとてもアットホームな雰囲気であることを実感いたしました。ぜひ多くの方々にご参加いただき、WEBもそろそろ飽きてきましたので、対面でディスカッションができることを心待ちにしております。また、研究内容は異なりますが、看護技術の革新を目指し研究に取り組んでいる仲間達と情報共有ができたことは、私にとって非常に有意義な時間でした。本学術集会にご参加いただきました皆様および関係各位に改めましてお礼申し上げます。

2022年度 社)日本看護研究学会東海地方会総会報告


 社)日本看護研究学会東海地方会2022年度総会が、2022年8月3日(水)11時より、東海地方会事務局において開催され、以下について審議・報告が承認されました。

 議 題:
  審議事項
   1. 議案1 2021年度事業報告
   2. 議案2 2021年度会計報告・監査報告

  報告事項
   1. 2022年度会員の動向
   2. 2022・2023年度東海地方会世話人会役員
   3. 2022年度事業計画(案)
   4. 2022年度予算(案)

 会員の皆様には、委任状・議決権行使へのご回答にご協力いただきまして誠にありがとうございました。

第27回 社)日本看護研究学会東海地方会学術集会のご案内

 新型コロナウイルス感染拡大予防を鑑み、第27回 社)日本看護研究学会東海地方会学術集会は、講演はWEB開催(ライブ配信)、一般演題は誌上発表といたします。
 会 長:粕谷恵美子(名古屋女子大学健康科学部看護学科)
 期 日:2023年3月4日(土) 10:00~15:00
 テーマ:"SDGs「看護にできること」"

◆プログラム
I. 会長挨拶:10:00~10:15
 「SDGs:看護にできることはどのようなこと?」
 粕谷恵美子(名古屋女子大学健康科学部看護学科 教授)

II. 講演1.10:20~11:20
 「看護研究の知―SDGsに関連して」
 川村佐和子(東京都医学総合研究所客員研究員,聖隷クリストファー大学名誉教授)

III. 講演2.11:30~12:30
 「住み続けられる街つくり -住民が主体の通いの場-」
 竹田徳則 (名古屋女子大学医療科学部 学部長)

IV. 講演3.13:30~14:45
 「SDGsを意識した社会課題解決と起業」
 藤野泰平 (株式会社デザインケア みんなのかかりつけ訪問看護ステーション 代表取締役)

 閉会の挨拶:14:45~15:00
 粕谷恵美子(名古屋女子大学健康科学部看護学科 教授)

Ⅴ.一般演題 抄録による誌上発表
 ◆一般演題の募集について
  1. 募集期間
   2022 年 10 月 17 日(月)~2023 年 1 月 20 日(金)必着
  2. 申し込み方法
   「一般演題抄録原稿見本」「一般演題申込書」「抄録作成チェックリスト」を学術集会ホームページよりダウンロードしていただき、記入後、下記のメールアドレスへお送りください。審査の上、折り返し採否等について通知致します。
   ※送付メールの件名(タイトル)には必ず、"【一般演題】"と入れて下さい。

  3.「一般演題抄録原稿」「一般演題申込書」「抄録作成チェックリスト」の送り先
   第27回 日本看護研究学会 東海地方会学術集会事務局
   e-mail: tokaikango.2022@gmail.com

  4.発表形式
   抄録による誌上発表

  5.演題発表者と共同研究者の事前参加登録について
  ・発表者および共同研究者は、全て一般社団法人日本看護研究学会員に限ります。
  ・非会員の方は、一般社団法人日本看護研究学会 学会事務局(東京都)にて入会手続きを完了してからご応募ください。(http://www.jsnr.jp参照)
  ・尚、入会に必要な推薦者(学会評議委員)に面識がない方は、第27回日本看護研究学 会学術集会事務局にその旨をご連絡ください。
  ・本地方会学術集会は、皆様の参加費で運営されています。当日、学術集会に参加されない共同研究者の方も、参加費を必ず事前にお支払いください。

 ◆学術集会参加申し込みについて
  1. 学術集会参加申し込み・参加費振り込み期間
   2022 年 10 月 17 日(月)~2023 年 2 月 10 日(金)

  2. 参加申し込み方法
  ・学術集会への参加申し込みは、当学術集会ホームページよりお手続きをお願いいたします。
  ・参加申し込み URL:
   https://www.jsnr.or.jp/district/tokai/meeting/gakujutu27info.html
  ・学術集会の参加申し込み後、2023 年 2 月 10 日(金)までに、参加費の振り込みをお願いします。

  3. 参加費と振込先
   参加費:会員・非会員 3,000 円 , 学生(大学院生除く)無料
   振込先:ゆうちょ銀行
   口座番号:00850-7-142916
   加入者名:日本看護研究学会東海地方会

 ◆学術集会に関するお問い合わせ先
  学術集会ホームページ:
  https://www.jsnr.or.jp/district/tokai/meeting/gakujutu27info.html


2023年度 社)日本看護研究学会東海地方会セミナーのご案内

 プランナー:藤吉恵美(岐阜医療科学大学看護学部)
 期 日  :22023年6月の土曜日
 場 所  :岐阜医療科学大学 可児キャンパス(会場とオンライン)
        岐阜県可児市虹ヶ丘4-3-33
 テーマ  :検討中

 ※詳細については、後日、ご案内いたします。