東海地方会からのニュースレターを掲載いたします。
2010.11.11発行
平成22年3月20日(土)に、第14回一般社団法人日本看護研究学会東海地方会学術集会が、白尾久美子(静岡県立大学)学術集会会長のもと、静岡県立大学にて開催されました。
平成21年4月1日「一般社団法人 日本看護研究学会」が設立され、この記念すべき年に東海地方会の学術集会を静岡県で開催させていただきました。 看護専門職は、近年ますます多忙を極め、複雑な状況に対峙しながら日々過ごしております。そのような現状からの改善を目指して、今回の学術集会は、「今考える、職場における心の健康」をメインテーマといたしました。
基調講演では陣田泰子先生より、「見えにくい看護」の見える化の方法として、“経験の概念化”を中心に御呈示いただきました。ワークショップIでは西田公昭先生より、社会心理学のお立場から集団組織における集団魅力を高めるための具体的な工夫についてお話いただきました。ワークショップIIでは山口桂子先生より、看護職のメンタルヘルスを改善し、維持促進するための具体的な視点として、「コミュニティ感覚」についてご講演をしていただきました。特別講演として紙屋克子先生より、遷延性意識障害患者に対する看護の最前線について、日常生活ケアをくり返し提供することで、意識の回復を促進する具体的な事例をご紹介いただきました。今回の学会のメインテーマである心の健康に対して、様々な領域の諸先生方からは、看護職が看護実践を通して、やりがいや充実感を得ることの重要性、看護職一個人の努力のみではなく、環境との相互作用を通して心の健康を考えることの必要性など、大変興味深いご示唆をいただくことができました。
一般演題では、教育、臨床など多様な領域のご発表がありました。あらためて研究者の関心を具体的な問いとして追及することの重要性、大切さ感じる機会を得ることができました。今回、地方会の学会開催という機会を与えていただきましたことで、企画から運営を通して、協力して一つのことを成し遂げるという、貴重な経験をさせていただきました。本学術集会の開催にあたり、ご尽力いただきました世話人会の諸先生方、地方会事務局の皆様、学会の実行委員会のメンバーの皆様、そして学会にご参加くださいました皆様に心より感謝申し上げます。
今回の学術集会は、「今考える、職場における心の健康」をテーマに、現代社会において「組織」で働く者に向け、示唆に富むプログラムで構成されていました。私も、ワークショップI・IIを聴講し、看護職の働く職場の特性を多面的に捉えることができ、課題に対してのヒントを得ることができました。ワークショップI「悩める人間関係の打開に向けて」では、西田公昭先生曰く「職場の人間関係に悩むのは、看護師に限ったことではない」が、社会心理学の見地より解説された看護組織の集団特性や、看護師養成教育のあり方についての見解は、人間関係に悩む新人看護師の姿を想起させるものでした。私も基礎看護教育に携わる教員として、現代の若者が育ってきた社会背景とともに、形成されてきた価値観の特徴を十分理解することの必要性を痛快した次第です。続くワークショップII「職場に生かすコミュニティ感覚」では、山口桂子先生より、看護の職場における職場適応とコミュニティ感覚との関連性について、新人看護師を対象とした介入研究の成果を伺うことができました。新人看護師のストレスを軽減するためには、職場において人々が持つ態度を「コミュニティ感覚」の視点から分析し、スタッフの相互支持関係を発展させることが有用であるとの見解は、大変興味深いものでした。これまで、看護師のバーンアウトに関する研究では、個人要因について分析し尽くされてきましたが、組織のあり方により生じる状況要因も見過ごせない時代になっていることを再認識しました。スタッフ自身も、自分が働く組織の集団特性を踏まえた上で、コミュニティと上手く付き合うための方略を身につければ、バーンアウトには至らず仕事への満足感を高めることが叶えられる時が来るのではないでしょうか。
今回の学術集会の成功は、プランナー白尾久美子先生を中心に実行委員の皆様が一致団結した取り組みと、参加者の皆様の活力が相互作用した賜物によるものと存じます。今後も、東海地方会の活動が益々発展されますことを祈念しております。
開催日時:平成22年3月20日(土) 12:00~12:30
開催場所:静岡県立大学
書記:篠崎惠美子
1)第13回日本看護研究学会東海地方会学術集会開催
平成21年3月14日(土)藤田保健衛生大学(愛知県)
2)日本看護研究学会東海地方会ニュースレターvol.13の発行
3)第14回日本看護研究学会東海地方会学術集会開催お知らせを発行
4)世話人会の開催
第1回 平成21年3月13日(金) 豊明市
第2回 平成21年8月2日(日) 横浜市
5)サマーセミナー開催
平成21年8月19日(土) 三重大学にて
-排泄リハビリテーションのケア技術セミナー-
プランナー:高植幸子氏(三重大学)
以上について、拍手をもって承認された。
1)会計収支報告
2)会計監査報告
以上について、拍手をもって承認された。
1)第14回日本看護研究学会東海地方会学術集会の開催
2)日本看護研究学会東海地方会ニュースレターvol.14の発行
3)第15回日本看護研究学会東海地方会学術集会のお知らせの発行
4)世話人会の開催
5)サマーセミナー開催
以上について、拍手をもって承認された。
1)会計年度を毎年4月1日から翌年3月31日までとする
2)会計年度の変更に伴って、8月に地方会総会を開催する
3)2010年度は移行期であるため、2010年1月1日から2011年3月31日までとする。
以上について、拍手をもって承認された。
1)会計収支原案
以上について、拍手をもって承認された。
・学術集会長・プランナー:白尾久美子氏 (静岡県立大学)
・会期:平成22年3月20日(土)
・会場:静岡県立大学
・学術集会長:黒田裕子氏(北里大学)
・会期:平成22年3月19日(土)
・会場:北里大学
以上の提案について、原案通り拍手をもって承認された。
テーマ:質的研究を深めよう
日時:平成22年8月28日(土)10:00~16:00
会場:岐阜県立看護大学
プランナー:泊祐子氏(岐阜県立看護大学)
以上の提案について、原案通り拍手をもって承認された。
会長 | 天野 瑞枝 | 藤田保健衛生大学 |
---|---|---|
副会長 | 白尾久美子 | 静岡県立大学 |
会計 | 足立みゆき | 岐阜大学 |
会計 | 柿原加代子 | 豊橋創造大学 |
会計監事 | 大西 文子 | 藤田保健衛生大学 |
会計監事 | 城戸 滋里 | 北里大学 |
幹事 | 泊 祐子 | 岐阜県立大学 |
幹事 | 藤井 徹也 | 名古屋大学 |
幹事 | 市江 和子 | 聖隷クリストファー大学 |
幹事 | 大村いづみ | 訪問看護ステーションSAHLA |
幹事 | 山口 桂子 | 愛知県立大学 |
幹事 | 高植 幸子 | 三重大学 |
幹事 | 渡邉 順子 | 聖隷クリストファー大学 |
幹事 | 藤井 洋子 | 三重県立大学 |
幹事 | 交渉中 | |
幹事 | 事務局は藤田保健衛生大学へ移動 |
上記の紹介があった。
自平成22年1月1日
至平成23年3月31日
項目 | 平成21年度予算 | 平成22年度予算 | 備 考 |
---|---|---|---|
1.前期繰越金 | 3,134,769 | 2,768,021 | |
2.地方会運営費 | 450,000 | 450,000 | (註1) |
3.学術集会参加費 | 900,000 | 1,800,000 | (註2)第14・15回学術集会分 |
4.セミナー参加費 | 0 | 10,000 | (註3) |
5.雑収入 | 90,000 | 90,000 | (註4) |
合計 | 4,574,769 | 5,118,021 |
(註1) 地方会運営費 会員1人当り500円×人数 東海地方会900名(2009年4月1日見込み)
(註2) 会員 3,000円×100名×2回=600,000円 非会員 4,000円×150名×2回=1,200,000円
(註3) 非会員 1,000円×10名=10000円
(註4) 企業協賛 広告:30,000円×3社=90,000円
自平成22年1月1日
至平成23年3月31日
項目 | 平成21年度予算 | 平成22年度予算 | 備考 |
---|---|---|---|
1.学術集会運営費 | 600,000 | 600,000 | 第15回学術集会分 |
2. セミナー開催費 | 400,000 | 300,000 | |
3.印刷費 | 250,000 | 350,000 | |
4.通信費 | 200,000 | 200,000 | |
5. 事務費 | 200,000 | 50,000 | |
6.会議費 | 350,000 | 400,000 | 世話人交通費含 |
7.人件費 | 100,000 | 100,000 | |
8. 事務局運営費 | 50,000 | 50,000 | |
9. ホームページ更新費 | 100,000 | 100,000 | |
10. 予備費 | 100,000 | 100,000 | |
支出合計 | 2,350,000 | 2,250,000 | |
11.次期繰越金 | 2,768,021 | 2,868,021 | H21年度繰越金はH21年度実績 |
合計 | 5,118,021 | 5,118,021 |
第14回日本看護研究学会東海地方会総会において、会計年度の変更に伴い、8月(親学会の学術集会開催期間中)に東海地方会総会を行うと決定しました(総会議事録4.会計年度の変更参照)が、東海地方会総会開催場所の確保が困難であることが明らかとなりましたので、従来通り東海地方会学術集会時に行うことになりました(第2回世話人会議事録7.その他参照)。
東海地方会会長 天野瑞枝
テーマ: 『質的研究を深めよう !』
★日時: | 2010年 8月28日(土) |
★場所: | 岐阜県立看護大学 |
★講師: | 西條剛央氏(早稲田大学大学院商学研究科) |
講演および実技内容:
(1) | 午前:10:00~12:00 |
講義: 受講者63人 『複雑な看護現象を研究対象とする科学論 ―科学とは?方法とは?―』 |
(2) | 午後:13:00~16:00 |
グループワーク: 受講者45人 『GTA質的研究の分析方法に焦点を当てて』 |
参加費:日本看護研究学会の会員は無料、非会員は千円
プランナー:岐阜県立看護大学 育成期看護学領域 泊 祐子
多くの参加を頂き、ありがとうございました。
★日時: | 平成22年8月21日(土) 16:30~18:00 |
★場所: | 岡山コンベンションセンター 402会議室 |
足立みゆき・天野瑞枝・市江和子・大西文子・大村いづみ・城戸滋里・白尾久美子・高植幸子・泊 祐子・藤井徹也・山口桂子・篠崎惠美子(順不同)・宮元里実(事務局)