当地方会独自で開催している学術集会についての情報を掲載いたします。
第17回一般社団法人日本看護研究学会 九州・沖縄地方会学術集会を終えて
第17回日本看護研究学会九州・沖縄地方会
学術集会長 浦田 秀子
第17回日本看護研究学会九州・沖縄地方会学術集会は「人が育つ・看護を育てる-経験の意味を問う-」をメインテーマとして、平成24年11月17日(土)に長崎において開催されました。長崎はご存じのように西洋医学発祥の地であり、その歴史資料が展示されている長崎大学医学部キャンパスの良順会館およびポンペ会館などを会場としました。当日は天気予報どおり、朝から風雨の悪天候でしたが、昼には雨も止み、九州県内の会員・非会員約180名の皆様にお集まりいただきました。日頃の看護学における教育・実践の成果を口演・示説で発表していただき、活発な意見交換が行われました。
午前中はプロローグとして学術集会長が「長崎における医学と看護教育の歴史」のテーマで特に長崎大学における教育の変遷について講演しました。昭和20年8月9日の原爆投下により長崎は壊滅的被害を受け、長崎大学も教職員、学生に多数の被害者を出しました。校舎の移転や焼けて教材もない状況にあっても教育は続けられ、医学教育155年、看護教育109年と継承・発展し、これまで多くの卒業生を社会に送り出しています。
引き続いて長崎大学大学教育機能開発センター評価・FD研究部門長の山地弘起先生に「関わりのなかのからだ-身体経験に学ぶ-」の特別講演をしていただきました。知識基盤社会のなかで意識中心の発想ではなく、身体とどう関わるかということを日常の多くの現象からご紹介いただきました。そして、体験セッションでは会場の全員が実際にからだを動かし、身体機能を重視した基本的な感覚を体験いたしました。あたたかい関心を向けて自分自身へ問いかけることと気づきの大切さを確認し、対象者との関わりのなかで身体経験に学ぶことでの多くの示唆をいただきました。
総会において、九州・沖縄地方会次期会長に宮崎大学の東サトエ先生が推薦され、承認されました。日本看護研究学会九州・沖縄地方会研究助成(木場・田島研究助成)の選考委員会の報告があり、熊本大学の村上美華氏に助成金が授与されました。研究課題名は「新人看護師の職業ストレスに関する研究」です。また、日本看護研究学会名誉会員となられた福岡女学院看護大学松岡緑先生に感謝状をお渡ししました。
懇親会では約60名の方にご参加いただき、長崎名物「茶碗蒸し」や「トルコライス」などを楽しんでいただきました。
皆様から多大なるご支援とご協力をいただき、本会を無事終了できましたことに学術集会企画委員および実行委員一同心より感謝申し上げます。今後も微力ながら本学会の発展に努めてまいりたいと存じます。