当地方会独自で開催している学術集会についての情報を掲載いたします。
第15回日本看護研究学会九州・沖縄地方会
学術集会会長 小田 正枝
「看護教育・看護実践から学びを拓く」のメインテーマのもと、学術集会を平成22年11月20日(土)に国際医療福祉大学福岡看護学部において開催させていただきました。晴天に恵まれ、300名の方々にお集まりいただき、教育側および臨床側からの口演発表を通して活発な討議が行われました。
午前中、操華子氏には「研究テーマの絞り込みと研究デザイン:質的研究・量的研究」の基調講演をいただきました。研究テーマを絞り込むということについて、研究者の興味範囲だけ研究すればよいというものでなく、その研究テーマがどのように活かされるのか、どう実践の中で活きていくのかに答えを見出していくことに研究の意義があると言われていました。研究問題の宝庫である実践の場からその宝を掘り起こすことで、この宝の掘り起こしが、研究デザインを考えていく上で一番大切な作業であると強調されていました。東めぐみ氏の教育講演では、「なぜ、看護師は自分の行ってきた看護を肯定的に語らないのか?」という部分のお話でした。現場の看護師は、日々の業務に何の疑問を抱くことなく、あまりにも「あたりまえ」に行っているために、その行為自体に、意味や価値があることを実感できないでいるというものでした。看護師は実践の場での経験の積み重ねで、看護師として成長していくものであるが、経験を積むことから生じる閉塞感があり、その閉塞感を打破するためにも、「普段の看護」からその価値を見出すことに大きな意味があると述べられていました。重ねて、その意義を理論として説明されていました。これらから伝わってきたことは、文献となって読み取ることができることで、看護の仕事に対するモチベーションが高まり、やりがいを感じ、自信や誇りとなるのだろうということです。
昼食を挿んで総会および懇親会を開催しました。第15回学術集会という区切りを考え、地方会に長年功績がありました木場富貴先生と河合千恵子先生には大池地方会会長より記念品が贈呈されました。今回の学術集会は、私たちの日々の活動において関心の高い話題を中心として拡げられたと思います。最後に、皆様から多大なるご支援と御助力をいただきました。本当にありがとうございました。学術集会企画委員および実行委員一同、心より感謝申し上げます。