当地方会独自で開催している学術集会についての情報を掲載いたします。
第21回日本看護研究学会 九州・沖縄地方会学術集会を終えて
第21回日本看護研究学会九州・沖縄地方会
学術集会長 栗 原 保 子
(宮崎県立大学看護学部教授)
日本看護研究学会第21回九州・沖縄地方会学術集会を、「実践と研究の有機的連動-看護の知の創出をめざして-」のテ―マのもと、平成28年11月12日に宮崎県立看護大学において開催し、無事に終了することができました。これも皆様のご支援・ご協力のおかげと感謝いたしております。この場をお借りして改めて御礼申し上げますとともに、学術集会のご報告をさせていただきます。
宮崎での開催が7年ぶり、本学での開催は16年ぶりでした。1人でも多くの方々が参加され、宮崎の良さを再発見していただけるような企画になればと考え進めてまいりました。学術集会開催日が、あいにく県内中核病院の防災訓練等と重なり、集客数について心配しておりましたが、会員・非会員の皆様、そして学生参加を含め、170名のご参加をいただき充実した学術集会となりました。
午前中の特別講演では、Rogersの概念モデルを基盤としたニュ―マンの看護理論を前提に、ミュ―チュアル・アクションリサ―チを用い看護の概念化を追究されている遠藤恵美子先生(武蔵野大学名誉教授 NPO法人ニュ―マン理論・研究・実践研究会理事長)に、「看護実践と研究を紡ぐアクションリサ―チ-その考え方と技法-」というタイトルでご講演いただきました。事例を活用して研究過程を丁寧に説明していただきましたので、看護理論を実践に適用していくことの面白さと同時に、看護の価値を可視化していくことの重要さについて皆様に実感していただけたように思います。
ランチョンセミナーでは、農業・観光立県である宮崎県の特性を活かし、「食と健康」という観点から、「インナ―ビュ―ティ―~身体の内からつくる健康と美~」「古代日本人と食事~日向神話を中心として~」のタイトルで、フ―ドアナリストの竹井倫世先生、本学教授で日本文学専攻の大舘真晴先生に、セッション形式で講演していただきました。地産地消にこだわった食事に加え、日本人の食文化にまつわる講演内容でしたので、会場は大いに盛り上がり、参加者の皆様にはリラックスしていただけたのではないかと思います。
午後の教育講演では、研究には不可欠な倫理について、岩江荘介先生(宮崎大学医学部社会医学講座研究倫理支援分野准教授)に、「看護研究における倫理を問う」というテ―マで講演していただきました。看護研究を実施する上で、我々が知っておくべきこと、また注意しておきたい研究倫理上のポイントを実務の視点から丁寧にわかりやすく講演していただきました。講演後も、今現場で遭遇している問題について何らかの解決の糸口を見出したい参加者の方々が先生を囲み相談されるなど、この企画も大変好評でした。
その後、一般演題として、口演10題、示説18題の発表があり、活発な意見交換が行われました。参加者の皆様にとっては多くの示唆を得る機会になったようです。 最後になりましたが、ご多忙な中ご参加いただきました皆さま、査読や座長の任をお引き受けいただきました先生方、本学術集会にご協力いただきました企画・実行委員の皆さま、運営にあたって協力いただきました学生ボランティアの皆さま、本学術集会にご広告やご寄付の協賛支援をいただきました企業団体の皆さま方に、心から感謝と御礼を申し上げます。
本地方会が、看護学の知の発展と看護実践力及び質の向上に貢献できることを祈念し、本学術集会を無事終了できたことに心より感謝申し上げます。