臨床や教育の現場で働く看護職者が、看護実践の質を高めることを目的にしたセミナーを開催しております。
10月29日に第34回看護研究セミナーをWebにて開催することとなりました。
12月19日に第33回看護研究セミナーをWebにて開催することとなりました。
今年度は、神戸大学大学院保健学研究科の法橋尚宏教授を講師にお迎えし、「アクセプトされる‟論文力”の強化の秘訣」第2弾についてお話いただきます。
会員限定先着100名で、参加の方法はライブとオンデマンド、または両方が可能です。
是非ライブでの参加をお待ちしております。
ー看護研究セミナー開催中止のお知らせー
9月12日に開催を予定しておりました「眼球運動測定を活用した看護師の観察眼の解明と看護学生への医療安全教育」ですが、講師の都合により急遽中止させていただくことになりました。ご参加を検討いただいた皆様には大変ご迷惑をおかけする事となり、大変申し訳ございません。
何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
32回看護研究セミナーは、ZoomによるWeb開催となりました。
今年度は第1部として、滋賀県立大学人間看護学部の米田照美准教授を講師にお迎えし、眼球運動測定を活用した看護師の観察眼の解明と看護学生への医療安全教育についてお話いただきます。
第2部では研究相談を行います(先着30名)。
大変興味深い内容となっておりますので、ぜひご参加ください。
31回看護研究継続セミナーは、新型コロナウイルス感染予防のため、Web開催となりました。
今年度は聖泉大学学長の小山敦代教授を講師にお迎えし、健康寿命UPを目指す看護と研究についてお話いただきます。
昨今の健康課題に即した、大変興味深い内容となっております。
Web開催のこの機会に、皆様ぜひご視聴ください。
看護研究継続セミナーは、「vimeo」で公開いたします。
下記URLよりアクセスしてセミナーをご視聴ください。
アクセス先:https://vimeo.com/475295380
パスワード: nr2020
セミナー:「自分の実践現場の感覚がリサーチクエッションを見つける!」
講師:本田 可奈子先生(滋賀医科大学 医学部看護学科基礎看護学講座 准教授)
まず今回のセミナーの「自分の実践現場の感覚がリサーチクエスチョンをみつける!」というタイトルが私にとっては大変印象的でした。それは、私自身もいつも臨床の現場で抱いた疑問や思いから研究がスタートしており、本田先生が表現された「感覚」という実感があったからです。
研究を積み重ねるうちにリサーチクエスチョンを絞り込んでいくことに慣れてはきましたが、学生への研究指導となると研究テーマの絞り込みの難しさを感じておりました。学生の看護研究では実習での経験がきっかけとなり、研究に取り組むことが多々あります。学生は実習中の出来事について熱く思いを語りますが、テーマが大きく、漠然としていて、研究として取り組んでいくにはどのように関わっていくことがよいのだろうかと悩んでいました。今回、本田先生のご講義でリサーチクエスチョンの構造化、事例研究におけるリサーチクエスチョンの考え方、症例検討と事例研究の違いを聞いて、その悩みが解決できそうに感じました。特に、何を明らかにしたいのか、何を面白いと感じて、何に疑問を抱いて「この事例」と向き合おうと思ったのかという「初心」に研究の問いを明確にする手がかりがあるというお言葉が心に響きました。看護研究において学生との対話を大事にしていきたいと思います。
最後になりましたが、本田先生、企画運営の先生方に心より感謝申し上げます。
(四天王寺大学 看護学部 吉川有葵)
セミナー:「質的研究 M-GTA分析のプロセス -データ取りから分析まで-」
講師:泊 祐子先生(大阪医科大学看護学部教授)
泊祐子先生のご指導で、M-GTA分析の分析ワークシート作成の演習をグループワークで体験するという、大変満足度の高い内容でした。
泊先生は、グラウンデッドセオリーアプローチのオリジナル版、Strauss&Corbin版、Glaser版ではなく、木下康仁氏の修正版グラウンデッドセオリーアプローチ(M-GTA)を用いて質的研究をされてきた経緯やM-GTAの特徴についてお話しされました。M-GTAは切片化という技法を用いず、分析テーマと分析焦点者の2点からデータを見ていきます。実際に学生に指導されたエピソードが多く紹介され、質的研究のコツのコツをこんなに教えて頂いてしまっていいのかと思うほど実践的な講義でした。
演習では、実際の研究に使われたインタビューデータを、与えられた研究テーマと、分析焦点者、分析テーマを意識しながら関連する箇所に着目するプロセスを、個人でデータにマーキングする作業から体験しました。迷いながらマーキングし、思いついた概念候補をグループで共有、意見をまとめていきました。具体例を上手く一言で表せるように概念名を考えるのですが、単なる要約になってしまっていないか、悩みましたが、泊先生が各グループで直接助言をくださり、どのグループも数個の概念候補を作ることが出来ました。最後に実際の研究の概念候補作成のプロセスを具体的にまとめた資料の配布と解説があり、理解を深めることが出来ました。時間の関係で研究相談会はなかったのですが、他施設の先生方と交流しながら質的研究に浸る贅沢な時間だったと思います。
泊先生、素晴らしいお講義感謝申し上げます。また、新しく居心地の良い会場をご提供いただきました福井医療大学の先生方、温かいおもてなしをしていただきましたコーディネーターの先生方本当にありがとうございました。
(医療法人林病院 濵野 陽子)
セミナー:「著名誌エディターからみたアクセプトされる“論文力”の強化の秘訣」
講師:法橋尚宏先生(神戸大学医学部保健学科、神戸大学大学院保健学研究科 教授)
今回の講義は、法橋教授の研究者としての熱いマインドと、日本の看護界を変革するための研究の重要性を何度も何度も突き付けられているように感じた内容でした。
研究者にとって研究倫理を遵守することは当然のことであるが、この中には研究したことを論文として世に出すことが含まれている事、そして、学部生の卒業研究であっても同様であり、研究者としての倫理である。という発言が印象的でした。私自身も“時間がない=研究できない・論文化できない"として後回しにしていることが多く、時間は限られたものであり、その時間をいかに有効に活用するかは自分次第であると思います。また、論文を書くということは、自分との戦いであり体力とモチベーションをいかに維持するかにかかっていると感じます。法橋教授のように1年に5本以上のペースとまではいかなくても、自分自身に言い聞かせて書いていきたいと思います。
また、法橋教授は、分子生物学という分野から看護学という世界に来られた時、「看護過程を知って看護は科学であると思った。」という発言をされました。看護過程は、クリティカルシンキングの育成として非常に有効な教育方法であると考えています。私は、現在、看護過程論を教えていますが、思考と実践をいかに結び付けていくかを常に悩みながら教育をしています。今後も教育と研究を連動させながら論文力を強化していきたいと思います。
最後に、貴重な機会をいただきありがとうございました。
(滋賀医科大学医学部看護学科 中西京子)
「地域包括ケア時代における看護教育」富山福祉短期大学 炭谷靖子先生
「在宅医療を看護研究にするには」 福井大学 出口洋二先生
今後の看護教育について、疾患教育だけでなく在宅の視点でも患者を捉えていくことを教育していくことで、看護師として病院で働く際にしっかりと在宅ということを見据えて、看護をしていけるので大切なことだと感じました。
炭谷先生がお話しされていたように、人生の流れ、社会とのつながり、入院は人生の一部にすぎない、基本は家で過ごすということを自分たちも意識して、看護をしていきたいと改めて思いました。
出口先生の講演では、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について改めて考えさせられました。ACPのタイミングだったり、多職種連携との連携の大切さを改めて感じ、今後に生かしていきたいと思いました。また、質的研究と量的研究を繋げていくことも、今後行っていけるように看護研究をしていきたいと思いました。
貴重な講演をありがとうございました。
(富山大学附属病院医療福祉サポートセンター 深井 彩)
大学院生のとき、同期生が質的統合法(KJ法)を用いて分析を行っている過程を見て興味を持っていました。しかし、自分が質的研究論文のクリティークを苦手としていることから、その手法を学ぼうとするところまでには至っておりませんでした。
今回、その興味を持っていた質的統合法(KJ法)の研修が開催されるのを知り、参加するのを非常に楽しみにしておりました。
講師の赤澤先生のお話は難しい部分もありましたが、まず、質的統合法(KJ法)とは何か?という部分から説明をしていただき、「混沌とした状況の中で、内在する論理を発見して全体像として浮かび上がらせる」過程を1つ1つ示していただきました。その内容が講義だけではなく、グループに分かれての実践(表札作り)もあったので、回数を重ねていくうちに少しずつコツを掴んでいく様子が自分でも実感でき、1つの表札ができた時には達成感がありました。
膨大なデータ(逐語録)から、この過程を通して最終的に見取図が出来上がった時の達成感は大きく、そして、そこに質的統合法(KJ法)の面白さがあるのだろうと感じました。
グループワークでは、コーディネーターである京都大学の長島先生が取り組まれている研究のお話を伺い、そこから看護師の勤務体系について、日本と海外との勤務体系の違い、臨床現場の管理者が抱えている問題などについてディスカッションし、有意義な時間を過ごすことができました。
自分の研究分野ばかりに囚われていると、どうしても視野が狭くなるため、このような継続セミナーを開催していただき、他大学で研究をされている先生方、臨床現場で研究をされている方々にお話を伺えることは、自分にとって視野を広げ、思考を豊かにする機会となり、貴重な知見を得ることができました。;
今後も、継続セミナーに参加させていただき、自分の研究活動に活かしていきたいと思います。
最後になりましたが、赤澤先生、コーディネーターの先生方に心より感謝申し上げます。
(藍野大学医療保健学部看護学科 米澤知恵)
日本看護研究学会 近畿・北陸地方会 第25回看護研究継続セミナーに参加させていただき、ありがとうございました。
看護研究継続セミナーには、昨年に引き続き参加させていただきましたが、昨年と同様に感じたことは、大学等の研究機関に所属しない私にとって研究相談ができる人がいることの心強さ、1回きりの研究で終わらず、研究活動を継続していく動機づけとなっていることです。
統計が苦手という理由から、あえて量的研究を避け、質的研究を選択していた自分が、昨年より量的研究を行う機会を得て、現在、論文をまとめている段階です。福井大学の上野先生の支援を受けて量的研究を行う機会に恵まれたこと、誘っていただいた看護研究継続セミナーのグループワークでは、大学教員や臨床看護師の方々と研究相談やディスカッションが行えたことに大変刺激を受けました。研究活動継続の支援環境があることに大変感謝しております。
また、講演会では最近の研究に関する内容を受講でき、講演会での学びが研究に興味をもって継続できる要因だと思います。今回の講演では、研究者にとって重要な「倫理指針」に関してわかりやすく講義していただき、自分自身がもっと指針を読み込む必要性を実感しました。また、「量的研究の価値はp値で決まるのか?」では、まさに自分の研究の評価に関する内容であり、今後の研究活動でいかに対象者数を増やすか工夫が必要と前向きな動機づけとなりました。
現在、3年課程の看護基礎教育に携わっておりますが、教育と研究活動の両立が活性化できればと考えています。まずは自分自身が継続して研究活動を行い、セミナーで体験した研究活動に興味を持てるきっかけを職場に持ち込むことができればと考えております。
最後にこのようなセミナーに参加させて頂きまして、ありがとうございました。 (富山赤十字看護専門学校 岩村徳子)
倫理の話はクイズも出して頂いたので、自分の倫理に対する理解のチェックや確認をしながら学ぶことができました。倫理を理解することは、研究方法を理解することとイコールであるということを学びました。また、心的外傷へのアプローチはどこまでが侵襲的であるかという議論も興味深く、心理学では心的外傷の理解や心理検査といった側面から侵襲性について考えていくため、法令や倫理の側面から侵襲性を考えることは新鮮でした。
また、p値のお話も身近な例を取り上げて頂き、とてもわかりやすいお話で、統計的な考え方のプロセスも理解しやすい内容でした。p値の理解を通して、サンプルサイズの設定の重要性、さらには研究計画の重要性についても学ぶことができました。
倫理とp値を通して研究について学びましたが、どちらにも通じるところがあり、同じ日にセットでお話を伺えたことはとても貴重な機会でした。心理学の分野では進んでいるという話もありましたが、心理は看護ほど研究者も専門家も多くないため、ぜひ心理と看護の専門家が手を取り合って、両者の視点を持ち寄りながら、一緒に研究や課題に取り組めると良いなと思いました。貴重な機会をありがとうございました。
(福井大学学生総合相談室 カウンセラー 前川 伸晃)
日本看護研究学会近畿北陸地方会第24回看護研究継続セミナーに参加させて頂き、ありがとうございました。
私は今まで看護研究というものに対して、難しそうやどんな事をすれば良いのだろう、といった漠然とした不安感を感じていました。しかし、今回の継続セミナーに参加して、第1部の福井大学上野栄一先生の講演で話されていた「研究テーマの考え方」、「研究のプロセス」、「研究計画書の作成の仕方」などの具体的で分かりやすい話を聞いたことで研究とは何かというものを自分の中で明確にする事ができ、研究に対する漠然とした不安を払拭する事ができました。研究は看護過程の展開と同様の考え方であることや文献の探し方など学部生でもイメージや利用が可能な紹介もあり来年の卒業研究に活かせることができると感じ大変勉強になりました。
第2部のグループワークでは、大学教員の方々や臨床看護師の方々の研究に関する様々な話をお聞きする貴重な経験ができ、私の中で研究というものが非常に身近に感じる事が出来ました。今回の継続セミナーで学ばせて頂いた事を念頭に置き看護について考えることが、今後の大学生活がより充実したものになるものと考えております。
最後にこのようなセミナーに参加させて頂きまして、ありがとうございました。 (奈良学園大学保健医療学部看護学科3回生 田中優生)
第23回看護研究継続セミナー近畿・北陸地方会に参加させていたただきまして、ありがとうございました。このセミナーでは看護研究とはどのようなものか、どのように進めていくのかを学ぶことができました。金沢大学の谷口先生や奈良学園大学の松浦先生を始め、現在取り組んでいる看護研究や過去の看護研究の貴重な事例を紹介していただきました。福井大学の出口先生からは統計方法、統計の必要性を丁寧に講義していただきました。統計は研究をしていく上で、必要な知識であり、どのデータにはどの検定方法を使用するのか、対象数はどの程度必要なのかと、いつも研究中に疑問に思うような内容でしたので改めて学ぶことができました。
グループワークでは他施設の業務上での疑問点や、参加者の看護研究のテーマなど気軽に話し合いできる場となっていて、自分自身の視点や考え方が広がったように思います。毎日の看護業務に看護研究もすることはなかなか簡単ではありませんが、今回セミナーに参加し、研究の必要性も感じ、モチベーションもあがりました。これからの看護研究に役立てられる情報が得られ、このようなセミナーに参加させていただきありがとうございました。(福井病院 山本勝也)